足の甲の外側の痛みの中で、
使い痛みによって生じる疾患があります。
短腓骨筋腱と呼ばれる、足を外へ払う時に使う筋の付着部で炎症を生じる疾患を「短腓骨筋腱付着部炎」といいます。
このページでは、どこの部分が痛くなって、
どんな症状が出るのかなどを御紹介します。
腓骨筋腱には長腓骨筋腱と、短腓骨筋腱の2種類があります。
上の図の赤いラインが短腓骨筋腱の走行を表しています。
緑の○で示したように短腓骨筋腱は第5中足骨と呼ばれる足の骨についています。
繰り返される骨と腱の付着部の引っ張り合いによって腱の炎症が生じます。
これがこの疾患の病態です。
陸上競技をされている方や、はきなれない靴を履いて外出された方などによく見られる疾患です。
以下で、実際の症例を見ながら、
どういう処置をするのかなど御説明したいと思います。
〜症例1〜
15歳の陸上部、中距離走の選手です。
走ると痛みがあるということで、どこが痛いのか確認すると、×印を付けたところが痛いということでした。
どういう時に痛いのかを具体的に調べるために、手で抵抗を加えて足首を反す動作をしてもらいました。
ちょうど外くるぶしのあたりに出ている筋が短腓骨筋腱です。
力を入れた時に×印のところに痛みが生じていることから、短腓骨筋腱の付着部での炎症を疑いました。
レントゲンを撮っても、痛いと言っていた部分(ピンクの矢印)での異常は見受けられません。
ということで、骨には異常がないことが確認できました。
こういう場合には、短腓骨筋腱炎であるということになります。
ですので、処置としてはヒールパッドを入れて、踵を上げることで短腓骨筋腱にかかる負担を軽減します。
そうすると、2週間ぐらいすれば、腫れも引き、再び練習に復帰できます。
〜症例2〜
次は19歳のアメリカンフットボールの選手です。
合宿が終わり、足の外側の痛みが強くなったということで、来院されました。
きっと使い過ぎによる痛みであろうということで、診てみましたが、負荷をかけて、足を反す動作をすると、×印(黄色矢印の先)の部分が痛むとのことでした。
ちょうど第5中足骨の外側に当たる部分を押さえると痛むとのことで、短腓骨筋腱付着部炎を疑いました。
しかし、スポーツ選手の足の外側の痛みには疲労骨折の可能性もあるので、レントゲンを撮って確認しました。
レントゲンを撮ってみましたが、骨には異常がありませんでした。
したがって、短腓骨筋腱付着部炎と確定診断しました。
歩く時の痛みがあれば練習を休んで、痛みがなくなったらシューズにヒールパッドを入れて、徐々に練習参加を許可していきました。
〜症例3〜
次は、23歳の女性です。
歩いたときに足の外側が痛いということで来院されました。
足の内側に向かって負荷をかけて、足を外側に反してもらうと、×印のところ(ピンク色矢印の先)に痛みが生じることがわかりました。
また、足の甲から下に負荷をかけて、足を上に反す動作を してもらうと、さほど痛みは出ませんでした。
外がえしの時に×印のところが痛むことから、短腓骨筋腱の付着部の炎症を疑いました。
レントゲンを撮って見ると、骨には異常がありませんでした。
ですので、短腓骨筋腱付着部炎であるとわかりました。
ヒールパッドを日頃履く靴に入れていただき、
様子をみました。
〜症例3〜
次は22歳の女性です。
特に捻ったなど外傷はなく、足の外側が痛むということで来院されました。
スポーツも特にされていないそうです。
ピンク色矢印で示した先の部分が少し腫れていて、赤みもありました。
また、この部分を押さえると痛みがあります。
レントゲンを撮ってみると、痛みのある部分(ピンク色矢印の先の部分)には異常は見受けられませんでした。
ということで、短腓骨筋腱付着部炎であるとわかりました。
ですので、日頃履く靴にヒールパッドを入れて、様子を見ることにしました。
以上のことから、若い方で短腓骨筋腱付着部炎になる方の中には、就職して、今まで履きなれなかった靴をはくことで足に負担がかかり、発症している可能性もあります。
ですので、今までとは違った靴を履いて足の外側が痛くなったときには、靴が原因かもしれないと考えてみることも必要かもしれません。
以上のことから、短腓骨筋腱付着部炎の患者さんには2タイプがあるとわかります。
スポーツ選手の場合、練習のしすぎでなる場合と、
ライフスタイルの変化で靴が変わり、足に負担がかかり発症する場合です。
どちらの場合も、しばらくの間の患部の小休止と、
ヒールパッドを入れて様子を見ることで、
すぐに良くなります。
足の外側が痛くなったら、
早めに整形外科を受診されることをお勧めします。
整形外科でヒールパッドを処方してもらうことで、
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