ちょっと歩いてみませんか?(歩く前に、できる運動)

「このところ、寒くて外へ出るのがおっくうです。」「歩かないといけないのはわかっているけれど、なかなかできません。」
といった声は、デイサービスを利用しておられる方の中でもよく耳にします。

健康で過ごせるためにも、運動が必要なのはわかっていても、なかなか難しいものです。

特別な道具も必要とせず、自分がやりたい時に、できる運動の一つとして、「歩く」ことが挙げられます。

このページでは、歩く前に、自宅の中で、座ったままで歩くことにつながる運動や、
部屋の中を歩くだけで、実際これだけ効果がありましたという事例を見ていただきたいと思います。

歩く前に必要なこと

実際に歩き始める前には、準備体操や、ストレッチが大事です。

部屋の中で出来るストレッチとして、椅子に座って行うストレッチをご紹介します。

歩くことは、足を使うのはもちろんですが、上半身や体幹も使うので、
下肢だけでなく、これらもストレッチすることが大事です。

また、気分が乗らなかったり、雨の日で外へ出れなかったとき、自宅の中でできる運動もあります。

運動は、なるべく継続することが大事ですから、短い時間で、無理のない範囲で行うようにしていただきたいと思います。

歩く前のストレッチング

まずは、上半身のストレッチングです。

まずは、首のストレッチングです。

歩行の際は、とかく足もとを見がちになるので、猫背姿勢になりがちです。

首全体をストレッチすることで、疲れ方も少なくて済みます。

方法としては、5~10ぐらい数を数えて、前後左右それぞれの方向をストレッチングします。

注意点としては、頚椎の疾患をお持ちであったり、過去に頚椎の手術既往のある方は、動きは最小限にしてください。

特に、天井を見上げる姿勢は、神経を刺激する可能性がありますので、くれぐれも気をつけてください。

次に、背筋を伸ばすストレッチングです。

あえて背中を丸めることで、脊椎のそばを走る筋肉群を伸ばすことにつながります。

元々円背傾向にある方々でも、安全にできるストレッチングです。

次は、逆に、後ろに手を持っていくことで、胸部の前面を伸ばします。

これは、胸郭を広げるので、呼吸をしやすくする働きがあります。

姿勢が前のめり傾向にあると、換気がしづらくなり、十分な酸素がとりこめなくなるので、息切れがしやすくなったり、ひいては風邪をひきやすくなったりします。

ですので、歩く前にもぜひ取り入れていただきたい準備体操の一つです。

次に、肩関節周囲をストレッチングします。

歩くときには、腕ふりも前に進む推進力を生むので、大切です。

準備体操の一つとして、肩周りもほぐしておく必要があります。

また、腰をひねるというストレッチングは、歩く際に、自然と身体もねじれているので、そういった実際に歩く動作に必要な体幹の筋肉を伸ばす効果があります。

以上のように、椅子に座った状態で上半身のストレッチングをする目的は、歩行の姿勢を保つ上で、大切な部分を伸ばすことにあります。

これは、肩甲骨をほぐす運動です。

肩甲骨は胸郭の上に浮くような形で、位置しています。

この肩甲胸郭関節は、若い時は可動域が広くて、自由に、動く関イメージがありますが、年齢を重ねるにつれ、徐々に可動域が狭くなってきます、

特に猫背姿勢になっていると、より可動範囲が狭くなります。

なるべく背筋を伸ばしてみて、肩関節を動かしてみましょう。

次は、下肢のストレッチングです。

下肢で、最も行いやすいストレッチングは、椅子に座った状態で、一歩足を前に出すことです。

その姿勢は、太ももの後、ふくらはぎなどを伸ばすことにつながり、さらに足首を上に向けて、手先を足先へ持っていことで、
よりストレッチングの効果が期待できます。

次に、股関節周りのストレッチングは、胡坐をかくような姿勢をつくることです 。

この姿勢は、椅子に座ってでも、簡単にできます。

しかし、注意点としては、股関節や膝関節に人工関節が入っている方は、無理に、してはいけません。

最後に、足の裏を合わせるようにして、下腿の外側を伸ばすストレッチングがあります。

これは、足首の周囲を走っている筋肉をストレッチングしますが、足関節の捻挫の既往のあるかたは、くれぐれも注意してください。

関節を動かしやすくするトレーニング
ボールエクササイズ

ボールを背中でキャッチする動作背は、日常生活で入浴の際の、背中を洗う動作に似ています。

歩行に、つながるメリットとしては、肩甲骨周りと、背筋などの筋肉分を柔軟に使う事につながります。

また、ボールを腰の前後で回す動作は、背中が曲がっていては回すことができません。

そこで、腹筋に力を入れて、姿勢を正すことで、ボールが回しやすくなります。

その結果良い姿勢を保ちながら歩くことにつながります。

棒を使ったエクササイズ

棒を使った運動は、主に上半身の姿勢を保つことにつながります。

押し車を使って歩く姿勢というのは、自然と前に重心が乗り、腕に頼りがちとなるので、身体が前に出ようという形になってしまい、足がついてこなくなります。

そこで、棒を持って両手を上げることにより、身体が起き上がってきます。

結果として、身体を起こすことにつながり、前に行っていた身体の重心が元の位置に戻ってきます。

また、棒を両手に持って、左右に身体をねじることは、骨盤のねじれを誘導することにつながります。

歩行の際に、骨盤がねじれることで、足が前に出やすくなるので、この運動を行うことで、足を前へ誘導することにつながります。 

足の運びを良くするトレーニング

椅子に座って、足首をつま先立ち、踵立ちの状態を繰り返す運動です。

足関節の可動域が少ないと、つま先が上がりにくくなって、ちょっとした段差でもつまずくことにつながります。

この運動をすることで、なるべくつま先を上げる意識と、足関節の柔軟性を高めることにつながります。

結果として、転倒予防につながります。

一つ前の運動を応用したものです。

左右の足が違う動きをすることにより、より歩行に近い動きになります。

自分の足元を、見ながら行うので、左右の足の上がり方の違いがよくわかります。 

股関節の筋肉を使ったトレーニングです。

できるだけ、身体が傾かないように手すりなどを持って行います。

一方の足を外に開くことで、中殿筋を鍛えることにつながります。

同時に、もう一方の足は、片足立ちになっているので、歩く際に、一歩を踏み出して、体重を乗せた時をイメージした運動につながります。

手すりにつかまって、前後に足を振り子のように動かします。

前に足が行くときには、つま先をあるべく上に向けておきます。

なるべく身体が横に傾かないように、正面を向いて行います。 

同じ運動を横から見た動画です。

後ろに足を蹴り出したときは、身体が前後に傾かないように意識します。

こうすることで、歩行の際に推進力を生みます。

上記のような運動は、歩くことがおっくうになってしまったときでも、家の中でできます!

外で歩けない日もありますので、このような運動だったら毎日お家で続けられるのではないでしょうか?

デイサービスきずなでは、それを実際の歩くことにつながるようにウオーキングマシーンを使って歩行練習をしています。

ウオーキングマシーンで実践してみます!

動画に写っている方は、もともと手すりを持って、ウオーキングマシーンに乗っておられました。

ですが、ご利用になってから、4カ月の時点で、今のように手すりを持たずに歩けるようになられました。

左右の足の運びを比べてみると、右足はしっかりとつま先が上がっているのに対して、左足は、やや上がっていないように見えます。

このように、歩く際のバランスも確認できます。

後ろから足の運びを見てみると、ほぼ同じ歩隔で足が前に出ています。

この幅が狭いと、不安定な歩き方につながるので、こういった歩き方にならないように注意を払っています。 

歩いた結果、こうなりました。

以下のグラフは、また別の方のデータです。

機能訓練として、とにかく歩くことを意識していただくために、
歩数計を足につけていただいて、デイサービスにいる3時間の中で、どれだけ歩けたかを記録しました。

その結果が以下のグラフです。

上の事例は、91歳の女性の方です。

デイサービスはご利用が始まってから、6年目になります。

人工膝関節置換術を受けておられて、外を歩くのは杖をついて歩いておられますが、
近くを歩くのが精いっぱいで、遠出をすることは困難です。

そこで、デイサービスでは、1日2500歩以上を目標に歩いていただくこととしました。

左のグラフは、昨年の2月から、12月までの歩数の推移を表したものです。

赤い丸で囲んだあたりで、一番歩数が上がっています。

右のグラフは3カ月に一度、行っている体力測定の結果を表したものです。

赤い丸で囲んだところは、左のグラフの最も歩数が多かった時期と一致しています。

このことから、、歩数を稼げた時期には、結果として、下肢筋力も上がっていて、
その状態を3カ月間維持できていたことがわかりました。

このように日頃から、歩くという事を少しずつでも続けて積み重ねておくと、
筋力が上がって、結局、健康で過ごすことにつながります。

歩くことは、大事だと思いますので、みなさん歩いて健康寿命を延ばしましょう!