ばね指の手術について(日帰りで行う皮下腱鞘切開術)

1.「ばね指はいつか治るよ。」と言われ、湿布をくれたが、治らなかった。

2. リハビリでマッサージをされたが、治らなかった

3. 痛い注射をされ、二度と行く気がしない。しかも治らなかった。

4. 痛いのを我慢して、2、3回注射を受けたが、再発した。

5. 皮膚切開による手術を勧められたが、2週間以上通院が必要で、仕事ができない。
収入がなくなるし、くびになるので皮膚切開術をあきらめた。

6. 大きな病院に行ったが、ばね指の手術はしていないと断られた。

たかがばね指!されどばね指!!

当院では、以上のようなギャップをできるだけ埋めるように、
患者さんのニーズに沿った治療をさせていただきます!

患者さんからのお話を伺ったうえで、
当院では、以下のような場合には、手術適応と考えています。

1、痛みのため、仕事や家事に常に支障をきたしている場合。
2、弾発現象が強く、自力で指が伸ばせない場合。
3、固定療法を行っても、弾発現象や痛みが改善しない場合。
4、ステロイド注射を行っても良くならない場合。

ばね指の手術って、どんな手術なんでしょう?

傷跡が残ったりするのは嫌だし、世話しなければならない家族もいるし、
仕事もあるので、入院しなくてはならないというのは困るのですが・・・。

当院では「経皮的皮下腱鞘切開術」という手術を行っています。

この手術方法では、傷跡が数ミリと小さいため、
傷跡を縫う必要もなく、そのため入院をする必要もありません。

傷が小さいので、早く傷も治り、
水仕事などもすぐにできるようになります。

また、時間のない方のために、
前もって御予約いただければ、
午前中に検査を行い、結果が良好ならば、
午後から手術を受けていただき、帰宅していただけますよ。


え!そんなに簡単な手術で済むんですか?

それに日帰りできるんですね!

それを聞いてほっとしました。

手術後のリハビリも基本的に必要ありません。

術後に、何か御相談が御有りになる場合には、
お気軽に再び診察へお越しください。

遠方の方は、メールでの御相談も承っています。


そうですか。

いろいろうかがって、少し安心しました。

手術は患者さんには不安が付きまといますよね。

手術や、リハビリについては、
気兼ねなく、医師やスタッフに御気軽にご相談ください。

メールでも御相談を受け付けております。
そちらも御気軽にご利用くださいね!

以下に皮下腱鞘切開術と直視下切開術のメリットとデメリットを表にしてみましたので、御覧ください。

当院では、皮下腱鞘切開術を行っております。

非常に細くて小さなメスを使って手術しますので、手術の傷跡を縫合する必要もなく、
傷跡を濡らさない様にしていただければ、当日入浴していただくことも出来ます。

また、切開する範囲が小さいので、皮神経を傷つけることもほとんどありません。

以下で、この手術を行うとどのように改善されるのか、具体的にご説明していきたいと思います。

下の動画は、皮下腱鞘切開術をイメージしたものです。
腱鞘という腱が通過するトンネルの屋根の部分を切開して、通りをスムーズにする手術です。

たとえ腱鞘を切開しても、腱は安定した位置にありますので、指の曲げ伸ばしの動作に支障はありません。

また、傷が小さいので、周囲の皮神経を傷つけることもありません。

以下で、手術に使用する道具や手順をご紹介いたします。

ばね指を起こしている状態では、左の図のように腱鞘が肥厚し、腱の通りを妨げているので、腱鞘を切開して開放します。

手術の際には、非常に細く薄いメスを使います。

「安永式切腱刀(やすながしきせっけんとう)」という特殊なメスです。

このメスにはガイドがついていて、腱が傷つかないようになっています。

以下で、実際の手術の手順について、ご覧いただきたいと思います。

実際の手術手順

まず、麻酔をします。

患部へ直接局所麻酔薬を注入すると、内圧が急に高まることで激しい痛みが生じることがあります。

ですので、当院では、患者さんの苦痛を少しでも軽減するために、こちらの図のように手根管部(正中神経)に伝達麻酔を行い、患部へ麻酔が効くようにしております。

腱鞘を切開します。

患部の傷は2mm程度です。縫合はしません。

手術後はガーゼと包帯のみです。

患部を濡らさなければ、手術当日より入浴が可能です。

術後のA1腱鞘切開の確認

下の図で、術後の状態をエコー画像で見ていただきたいと思います。

エコー画像で術前・術後のエコー画像を見比べていただくと、
A1腱鞘が切開され、開放されているのが良くお分かりいただけると思います。

手術をするに当たり、術前に患者さんの納得と、同意が不可欠ですので、私たちには説明義務があります。

そこで、エコー検査は、患者さんに御自分の病態を理解していただき、手術の同意をいただくために必然性の高い検査であると考えています。

動画で見る術前術後の腱の動き

上の写真で、開放された腱や、A1滑車が開いて通りが良くなっているのが御理解いただけたと思います。

さらに、動画で術前、術後の動きの違いをご覧ください!

術前のエコー画像

術後のエコー画像

※今回使用しました動画は同一の患者さんのものではありません。
術前・術後のわかりやすい画像を使用させていただきました。

以上のように、皮下腱鞘切開術で腱鞘の切開により腱の滑走がスムーズになっています。

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