肘の滑液包炎

机に肘をついたときに痛くなったことはありませんか?

肘が腫れて、気がつけば瘤ができたかのようになって、
どんな疾患なのかと不安になったりしたことはありませんか?

肘先でも、骨と皮膚の間の部分で刺激が続くと、
滑液包が炎症をおこし腫れることがあります。

このページでは、
肘の滑液包炎について御説明します。

〜69歳 男性の場合〜

この写真は、69歳の男性です。

右肘の腫れが気になったので、来院されました。

赤矢印の先にあるように、肘の先に瘤ができていることに、2日前に気が付かれたそうです。

問診を行うと、自宅で両肘をついて寝そべった状態でテレビを見ていたそうです。

長時間肘をついていたことによる刺激が滑液包炎を引き起こしたものと思われます。

さほど腫れていなかったうえに、痛みもなかったので2日前まで様子を見ておられました。

エコーを撮ってみると、赤矢印の先で示した部分に黒く写る水がたまったような所見が確認できました。

肘頭(肘の先)の部分と皮膚との間にまたがって広い範囲で水腫があることがわかったので、滑液包炎と診断しました。 

左の写真は、初診時に肘を横から見たものです。

治療としては、特別なことはありません。

生活習慣の中で肘をつかないように気をつけていただくことを指導しました。

2週間後の写真です。

肘を畳につかないようにしていただいた結果、肘の瘤が小さくなっていました。

このように、生活習慣さえ改善していただけば、この疾患は特別な処置を必要としません。 

滑液包炎の治療はだいたいの場合、生活習慣を見直していただき、痛くなった原因を取り除くことで治ります。

〜32歳 男性の場合〜

次は32歳の男性です。

肘を打ったそうで、それからこんなに腫れてしまったので、骨折しているのではないかと心配になって来院されました。

でも、よく見ると、肘の関節全体が腫れているのではなくて、肘の先から皮膚が膨れ上がるように腫れていたので、滑液包炎が疑われました。 

実際、レントゲンを撮ってみると、骨折はありませんでした。

痛みはほとんどないのですが、 肘をつくと違和感があるので、患者さんからの要望で、肘にたまった液を抜くことになりました。

そうすると、褐色の液が確認できて、打ったことによって、そこで少々血も混じっていたのではないかと思われました。

液を抜いた後の肘です。

液を抜いても、肘をつくとまた腫れるので、肘をつかないように指導しました。

その後、問題もなく過ごされました。 

〜54歳 女性の場合〜

今度は、54歳の女性です。

腫れは少ないのですが、肘の先を少しつくだけで痛みがあるということで、来院されました。

お話を伺うと、数日前に肘の先を打ったということですが、その時は痛みもなく、腫れもなかったので様子を見ておられたそうです。

肘を伸ばしてみると、腫れがほとんど分からないぐらい小さいものでした。

しかし、黄色矢印で示したところを押さえると、痛みが走りました。

エコーを撮ってみると、黄色矢印の先に黒く丸い水がたまった袋が確認できました。

こういった場合には肘をつかないように指導するとともに、肘先をくりぬいたパッドをリハビリスタッフが手作りしてお出しします。

このパッドを使うことで、肘をついても痛くないようにします。

瘤が小さい場合には、このようなパッドを使うことも有効です。

肘の部分での滑液包炎は上の例で見てきたように、
腫れが大きくて一見心配ですが、
肘さえつかなければ、軽快するものがほとんどです。

肘の痛みや腫れが気になるときには、
一度整形外科を受診され、
どういった生活習慣が原因でこの疾患になったのかということを分析し、
その生活習慣を改善してください。

そうすれば、また快適な生活に戻ることができます!