腓骨骨端線離開(捻挫による子供特有の骨折)

子供さんが足関節の捻挫をした後、痛みの場所が外くるぶしの周辺見られることがあります。

通常、ネンザた場合にはくるぶしの下側に痛みがあるものですが、
時々、子供さんが捻挫した場合に、足首ではなく、
くるぶしの周辺全体に痛みや腫れが出る場合があります。

こういった場合には「腓骨骨端線離開(ひこつこったんせんりかい)」を疑ってみます。

これは、子供さんだけに見られる骨折の一種です。

以下で、その内容をご覧いただきたいと思います。

左の図は子供さんの足首を前から撮ったレントゲンのイメージ図です。

足首の骨は、内側に脛骨、外側に腓骨、それに収まるように距骨で成り立っています。

見たときに、あたかも骨が離れているように見えますが、その隙間は骨端線と呼ばれる骨の成長に関係する部分です。

左の写真が、実際のレントゲン写真です。

骨端線は軟骨成分でできているので、レントゲンを撮ると隙間の様に写ります。

骨の成長に伴い、その部分が骨になって埋まってきます。

ですので、骨端線のある子どもの年代で捻挫のような強い外力が加わると、軟骨部分でやわらかい骨端線が傷ついてしまうことがあります。

以下で、実際の症例をご覧いただきたいと思います。

左の写真は12歳の女の子のものです。

段差を飛び降りて足首をひねり、怪我をしてすぐに来院されました。

見た限りでは、捻挫とよく似た場所に腫れと痛みがあります。

しかし、すこし斜め横から見たとき、外くるぶしの周りに腫れと皮下出血が見られます。

ということは、ただの捻挫ではなく、
骨そのものになにか問題が起こっているのではないかと思われます。

レントゲンを撮ってみると、腓骨の骨端線部分に若干の開きがあることがわかりました。
(赤色矢印の先端部分です。)

左の写真の赤矢印が怪我をしている部分で、水色の矢印の先が正常な部分です。

二つの矢印の先の部分を比べてみると、違いがわかります。

治療は、ギプス固定となりました。

通常2~3週間の固定が一般的です。

骨端線離開は骨折の一種だと考えますので、このようにギプス固定します。
手術などの治療はまず行われることはありません。

左の写真は、別の子供さんの捻挫直後の写真です。

見た感じはそんなに腫れて内出血があるように思えないのですが、赤矢印で示した部分を抑えると、強い痛みを訴えます。

左右の足首を比べてみると、はやり少し腫れているのがわかります。

レントゲンを撮る前に、エコーでの確認を行ったところ、
左右の写真を比べてみると、左のエコー写真では赤線で示したように段差が見られます。

案の定、レントゲンを撮ってみると、左足首の骨端線に開きがあることがわかります。

健常な右足の青色矢印部分と、怪我をした左足の赤色矢印の部分を比べると、違いがわかります。

この方もギプスをして治すことになりました。

骨端線離開の多くはギプスなどの固定療法で治ります。

スポーツに影響することもなく、骨の成長に影響することもほとんどありません。

しかし、捻挫と思って放置しておくと、いつまでも痛かったり、腫れが引かないということで、
ただの捻挫ではないと心配になることがるかもしれません。

そういった場合には、早く病院へ行って、適切な処置をしてもらわれることをお勧めします。

早く発見して、早く処置することが、早く治るためのポイントです!