あぐらor正座タコかな?(足首の滑液包炎)

あぐらをかいたり、正座をしたり、
常に同じ姿勢が続くことで、
足首周辺の同じ部分が圧迫され痛みが生じることがあります。

これらは滑液包炎(かつえきほうえん)といって、
皮膚と骨との間でのクッションの役割をする組織が炎症を起こしたものです。

このページでは、足に生じた滑液包炎の数々をご紹介します。

足の滑液包

足首の周辺にある滑液包はこちらの図のようなものです。

主に、こちらの図で示す外果部皮下滑液包がよく炎症を起こします。 

これが「あぐらダコ」の原因です。

内くるぶし、外くるぶし、そして足の甲は正座などをするときに、床に当たることが多く、腫れることが多いので、
通称「正座ダコ」とよばれるものです。

また、正座するときは足の甲が床につくほかに、左の図で示した距骨といわれる足首の骨のエッジの部分(図の水色で示した部分)がせり出してきて、皮膚を挟んで床と接することになります。

長時間こういった状態が続いた場合、タコになってしまうことがあります。

あぐらダコ

あぐらダコの症例をご紹介致します。

〜41歳 女性〜

写真の方は41歳の女性です。

痛みは無いのですが、くるぶしの周りの腫れが気にかかるので、御来院になりました。

日常生活にも支障はなく、ただ正座をしたときだけ、違和感があるようです。 

エコーで診てみると、黄色矢印で示す部分、右外くるぶしのやや下のところに、水がたまっている所見が得られました。

正座すると、腫れるので、正座するときに座布団をひくなど、腫れた部分に圧がかからないようにすることを指導させていただきました。

〜56歳 女性〜

次の方は、56歳の女性です。

痛みは無いのですが、腫れが気になり、正座の時に圧迫感があるので御来院になりました。 

レントゲンを撮って診ると、明らかに外くるぶしの部分と皮膚の間の厚みが、左右で違うということがわかります。

一般にレントゲンでは骨に異常がないということだけしかわからないといわれていますが、レントゲンでも、腫れているかどうかということがわかる例です。 

日常でどのように座っておられるのかを再現していただくと、左足の外くるぶしを下にして、横座りしておられました。

この座り方を控えるようにと、ご指導しました。

正座ダコ

正座ダコの症例をご紹介致します。

〜87歳 女性〜

次の方は、87歳の女性です。

2カ月ぐらい前より正座すると痛く、その部分にタコができていました。 

赤矢印で示したように、正座をしたときに距骨頭(足首の骨)が床に押し付けられて、できたタコであると判断しました。

もともと正座する習慣が長くあるので、その習慣をやめるというわけにはいかないので、座布団をひくなど、直接患部に圧がかからないようにしていただくよう、ご指導しました。

〜53歳 女性〜

次の方は53歳の女性です。

2か月前より腫れてきたので、別の病院で中の水を抜いてもらったのですが、また腫れてきたので、心配になって御来院になりました。

明らかに、足の甲の部分に腫れと赤みがあります。

この方は、日常で常に正座をする機会が多く、同じ姿勢が続くので、それが原因で滑液包炎をおこしているのだろうと判断しました。

念のためエコーを撮ってみると、広い範囲で水がたまっている映像が確認できました。

以前にも水を抜いたということだったので、少しでも違和感がはやく無くなるようにするためと、中の水の粘り気を診ることで、他の疾患との判別を行う目的で注射で水を抜きました。

水を抜くと、腫れは引きましたが、正座する習慣があるので、症状を繰り返さないようにするために、座布団などをひいて、腫れた部分に直接圧がかからないようにすることを指導させていただきました。 

足の滑液包炎は何か怪我をしたなどという原因がなく、
あるとき気がつくと腫れているという感じで起こります。

肘や膝とちがって、
足首はあまり目に触れないので、あえて注目することがなく、
ふと気がつくと足首が痛くなり、
どうしてかなと思うことがあります。

そういった場合には、整形外科を一度受診されることをお勧めします。

滑液包炎をおこした生活習慣を発見し、
原因となった生活習慣を改善するだけで、
ほとんどの場合、この疾患は治ります!

早く痛みの原因を取り除き、
痛みのない快適な生活を取り戻してください!