ジョーンズ骨折(Jones骨折)

前足部でみられる骨折の中でも難治性であるといわれているのが、Jones骨折です。

これはこの症例を報告したJones氏にちなんで名前が付けられています。

下の図のようなつま先立ちの姿勢で足をひねり、
一回の外力でこの骨折が生じる場合も合いますが、
一般には疲労骨折であると考えられています。

外見上、上の図の赤丸で囲んだ部分が痛くなります。

疲労骨折であると考えられていますが、
カットやステップターンで足の外側に体重がかかり、
それを繰り返すことによって、
第5中足骨にストレスがかかり、
折れてしまうと考えられています。

解剖図で見ると、赤い丸で囲んだ第5中足骨の基部と呼ばれる部分で折れてしまいます。

こちらの写真は骨折した部分でどんなストレスがかかっているのかを示しています。

体重がかかることによって、下から水色矢印の方向にストレスがかかります。

赤矢印は、それぞれ筋肉の作用によって引っ張られる方向を示しています。

つまり、第5中足骨基部と呼ばれる部分には、3方向のストレスが常にかかり、針金が何度も曲げられると折れてしまうように、骨が疲労骨折してしまいます。

また、その部分は血行が他の場所に比べて少ないので、骨が癒合しにくい場所でもあります。

こちらの写真は足のアーチと呼ばれる部分です。

①で表したアーチは「外側縦アーチ」と呼ばれ、
②で表したアーチは「横アーチ」と呼ばれています。

中足骨はまっすぐな骨ではなく、この写真のように丸くアーチ状になっています。

ですので、カット動作などを行う時、アーチがたわみ、ストレスがさらにかかります。

すなわち、もっとも足の外側にあるために地面からの力を直接受けやすいという条件下にあります。

なので、体重がかかるたびにたわみが起こり、ギプス固定中も体重をかけることなどができません。

早く復帰したいスポーツ選手などにとっては、かなりやっかいな骨折といえます。 

以下で、実際のいろんな例をご覧いただきたいと思います。

体重をかけることを控えながら、
骨癒合とスポーツ復帰ができた例

22歳の男性です。

右第5中足骨の痛みを訴えて来院されました。

2日前のサッカーの試合で走っていて、急停止し、方向を転換した際に、ボッキと音がしたそうです。

痛みのため、試合は途中交代されたそうです。

こちらの外観写真は初診時のものです。

赤色矢印の部分に腫れと圧痛が認められました。 

そこで、レントゲン撮影を行ってみたところ、右第5中足骨骨幹端部に骨膜肥厚像が確認できました。

サッカーによるジョーンズ骨折と診断し、スポーツ中止を指示しました。

ギプスの固定は、車の運転などがあるため、行わずに、松葉杖による免荷を行いました。

こちらのレントゲンは受傷後、1週間のものです。

少しずつ赤矢印の部分に骨吸収像がみられてきました。

骨癒合を促進する目的の超音波治療を行いました。

こちらの写真は受傷後1か月のものです。

赤色矢印の部分に骨吸収像がはっきりと確認できました。

しかし、圧痛はこの時点でほとんどなく、松葉杖は除去し、普通に生活していただきました。

しかし、スポーツ休止は継続していただきました。

受傷後約11週のレントゲンです。

骨吸収していた赤色矢印の部分は仮骨で埋まっており、症状も全くありませんでした。

リハビリは、受傷後8週の時点で、レントゲンの経過も良かったため、ジョギングから開始し、ランニングや直線の奪取などを徐々に始めていただきました。

受傷後、11週の時点で、レントゲンで骨癒合が確認できたので、スポーツの完全復帰を許可しました。 

ギプス固定と足底板療法を行って骨癒合を得た例

こちらの写真は17歳のサッカー選手で、試合中に足をひねって受傷しました。

徐々に痛くなったわけではないので、疲労骨折とは考えにくかったのですが、骨折線が黄色矢印が第5中足骨基部に入っていたため、時間がかかるだろうという考えから、ギプス固定を行って、さらに体重をかけないようにして経過を見ました。 

1か月後のレントゲンでは、1つ前の写真で骨折していた部分が盛り上がっていて、仮骨ができていて、骨がつながっているのがわかります。

ギプス固定をする治療を選択したのですが、患者さん本人が患部に体重をかけないという事を守ってくれたので、普通難しいギプス固定でも、完治した良い例です。

この時点で、ギプス固定は終了し、足底板療法に変えました。

 7週間後、再び骨折部分を確認したところ、骨折線はほぼ埋まっており、骨折部分は完治したと判断し、全体重をかけることを許可しました。

そして、練習参加を許可しました。

外側縦アーチを守るため、足底板を靴に入れることを支持しました。

足底板は、外側縦アーチにかかるストレスを小さくすることができます。

こちらの写真は主に中足骨のアーチを保つために使用する足底板です。

外側縦アーチを支える構造になっています。

親指側にも足底板を追加して、足全体で体重を支えることを目的としています。

受傷後10週のレントゲン写真です。

骨折線はほとんど見えません。

サッカーのプレーも普通にできるようになっています。

別の角度から、レントゲンを撮って確認して見ても、骨折線はほぼ無くなり、完治したことがわかります。

手術療法を行って、スポーツ復帰を目指した例

こちらの写真は16歳サッカー部の選手です。

右足の第5中足骨骨折の既往歴があり、前年にそちらを手術をしていました。

今回は左足の痛みが気になってレントゲンを撮りました。

レントゲンでは第5中足骨基部に骨折が見受けられました。

 以前から軽い痛みがありましたが、骨折部分には圧痛がなかったので、様子を見て修復が見られるかどうか経過観察していました。

2週間後、試合中に痛みを覚え、来院時にレントゲンを撮ったところ、赤色矢印の部分に骨折が見受けられました。

2週間前と比べて、骨折線は薄くなっているように見えたのですが、圧痛が同じ部位に合って、痛みも強いので、さらに精査する目的で、MRIを撮りました。 

MRI を撮影すると、 赤色矢印の先に黒い骨折線が見えています。

角度を変えて見てみると、赤色矢印の先に黒く写っている部分があります。

つまり、その部分で疲労骨折が生じていることがわかりました。

治療の方針は、有望選手で、練習が長期に休めないということで、手術治療が選択されました。

MRI撮影後2週間で、手術を行い、手術直後に撮ったレントゲンです。

骨折部分は安定して、ネジによって強度も高まっています。

1週間~10日は取り外し式のギプスをして、その後は徐々に体重を乗せるようにして、普段通りに歩けるようなところまで回復しました。

後は、現場のトレーナーの指示のもと、練習復帰を目指しました。

術後2カ月で撮ったレントゲンです。

骨折線がほぼ消失して、骨癒合は良好でした。

この時点で、運動時の痛みもなく、練習にもすでに参加していました。

術後4カ月のレントゲンです。

骨折線もなく、完治していることがわかります。

試合にもすでに参加していました。

このように、早期復帰を目指すために手術を行うこともあります。

この骨折は、サッカーやラグビーなど、カットプレーを行うスポーツをする人によくみられます。

こういうスポーツをしている人で、足の外側に継続した痛みがある方は、
Jones骨折である可能性があるかもしれません。

そういう場合には、早い目に足の専門医に受診されることを勧めします。

Jones骨折であっても、全部が全部手術になるわけではありません。
固定療法で治る場合もあります。

どんな怪我でもそうですが、
早期発見、早期治療が完治への一番の早道です!