膝に水がたまるってどういうこと?

先のページで「疲労感・重い感じ」という症状がありましたが、
その主な原因として考えられるのが「関節水腫(膝に水がたまること)」です。

よく膝に水がたまるといいますが、
では、なぜ膝に水がたまるのでしょうか?

健康な膝

健康な膝は、関節液が満たされています。

関節液は軟骨に栄養を与えたり、関節が動くときのすべりをよくしたりしています。

また、関節にかかる圧力を分散させる働きがあります。

では、膝の中でどんなことが起こっているのか、左の図で簡単にご説明します。

健康な膝では、滑膜の中にある毛細血管から関節液が分泌され、関節軟骨に栄養分が渡されます。

関節軟骨は、栄養分を受け取ると、基礎代謝物(老廃物)を関節液の中に分泌します。

一定量以上の関節液は基礎代謝物を伴ってリンパ管の中へと吸収され、関節包の中の関節液の量は一定に保たれます。

水がたまった状態の膝

ところが、加齢などによって関節表面の軟骨がすり減ると、軟骨表面のすべりが悪くなってきます。

そうすると、滑膜が炎症を起こし、本来あるべき量以上の関節液を分泌します。

そうなると、関節液の吸収が追いつかなくなり、関節包に関節液がたまってきます。

膝に水がたまったというのは、こういう状態になっているのです。

膝に水がたまるとどうなるのかというと、左の写真の赤丸で囲んだ部分のように腫れてくるのです。

膝のお皿の上、膝蓋上嚢という部分は膝の関節の上にあり、ゆとりがあるので、そこに水がたまりやすくなっています。

左の図は、水がたまった膝を横から見たものです。

診察時には、膝蓋上嚢の部分を上から押してみて、膝のお皿の上から押してみると、お皿が浮き上がってくる感じがします。

この浮き上がり感があれば、水がたまっていることが確認できます。

では、このように水がたまった場合にはどうするかというと、
対症療法としては、包帯で圧迫するとか、氷で冷やすなどの方法があります。


しかし、変形性関節症は、慢性的な痛みになる場合が多いので、寒い風に直接当たらないようにするとか、
クーラーに直接当たらないようにするなど、保温につとめていただいたほうが良いと思います。


よく水を抜くと癖になると思われている方が多いようですが、
注射によって水を抜くという治療自体が癖になるわけではなく注射で水を抜いたとしても、
関節内の炎症が治まらず関節液が出続けるので、
関節液がどんどんたまり、また膝が腫れるということになるのです。

ですので、炎症が治まらないことが問題なのであって、
注射で水を抜くこと自体に問題があるのではありません。

最優先に考えなければならないのは、
炎症を抑えることです。


炎症を抑えるためには、
ヒアルロン酸注射やサポーターをすることをお勧めします。




実を言うと、水を抜くこと自体に治療としての意味はありません。

ただ、怪我などにより、関節内に血がたまって痛い場合などは
関節の内圧を下げることによって痛みが和らぐので、
こういった場合には、治療として水を抜くということもあります。

変形性膝関節症の治療について、
具体的な内容は次のページ以降で見て頂きたいと思います。