関節リウマチの検査

当院では関節リウマチを診断するに当たって、
各種検査を行っています。

血液検査、尿検査、関節液検査、X線検査などを行って、
各検査の数値を総合的に判断して、関節リウマチと診断しています。

血液検査からわかること

検査項目の一例

上記のように数多くの検査の数値が出ていますが、
関節リウマチの可能性を示唆するものは

「抗CCP抗体」、「抗核抗体(ANA)」
「免疫IgG抗体」と「CRP定量」と「マトリックスメタロプロティナーゼ(MMP-3)」
の5項目です。


中でも、「抗CCP抗体」は関節リウマチに特異性の高い診断マーカーであるとされています。
しかも、2007年より、健康保険の適応となり
検査も気軽にできるようになりました。


「抗核抗体」は他の膠原病と関節リウマチを判別するのに有効な検査です。

上の写真ではHOMOGENEOUS型と表記されています。

これは関節リウマチを示唆するものです。

上の写真は、別の患者さんの検査の値です。

抗核抗体の数値は確かに高いのですが、NUCLEOLAR型と表記されていますが、
これはリウマチ以外の疾患を疑うということです。


IgG抗体は主に免疫の機能異常を示唆するものです。
IgG抗体はリウマチに特有な抗体なので、この数値が高いということは、
リウマチの可能性が高いことを意味します。

これらの数値を参考にして関節リウマチであると診断します。


また、CRPとMMP-3は炎症の度合いをあらわしています。


しかし、炎症といっても、関節炎など、
リウマチ以外の疾患でもCRPやMMP-3は高くなるので注意が必要です。

上の写真の「RF定量」というのもリウマチの可能性を示唆するものです。

早期リウマチの場合には、このRF定量が低い場合もあるので、注意が必要です。

血液検査はリウマチの検査として必須な検査です。

尿検査からわかること

尿検査は薬の副作用や他の臓器疾患の有無を確認する目的で行います

関節リウマチの治療薬を投与した後も検査を時々行って経過を確認していきます。

関節液の検査からわかること

関節リウマチにかかわりのあるさまざまな物質によって関節液が混濁します。

他の病気、例えば変形性関節症の場合でも、関節が腫れたりします。

しかし、関節液の検査をすると、
リウマチかそれ以外の病気かがよくわかります。

関節リウマチの方の関節液を注射器で抜くと、
下の写真の「関節液b」ようなにごった関節液が出てきます。

上の写真の関節液bのように関節液がにごっている場合には、
明らかに関節リウマチであることがわかります。

X線検査からわかること

X線検査をすると、関節破壊の程度がはっきりとわかります。
(上のレントゲン写真は両手関節、指を撮影したものです。)

また、高齢化社会に伴って関節リウマチの発症時期が高年齢層でもみられるようになっています。

そこで問題となってくるのが加齢とともに徐々に関節が変形する
「変形性関節症」との鑑別です。

関節リウマチ膝のレントゲン写真と 変形性関節症の違い

関節リウマチ

関節リウマチの場合は、赤い丸印と青い丸印で囲んだ両方の関節の隙間が狭くなってきます。
つまり、内側と外側の軟骨が破壊されつつあることになります。

また、赤丸印で囲んだ部分は、少し薄く写っている部分もあります。これは骨の一部分も破壊されつつある証です。

膝を全体的にみると、内側に「く」の字に曲がっている傾向も少ないようです。

変形性膝関節症

変形性関節症の場合は、赤い丸印で囲んだ部分の隙間が、青い丸で囲んだ部分に比べて狭くなっています。
つまり、赤い丸で囲んだ部分は、立った時や歩くときに体重の負荷がかかりやすい部位なので、徐々に軟骨が減ってきているものと考えます。

また、緑色の線は下腿骨の向きを示しています。
少し内側に傾いているように見えます。

以上のように当院では、レントゲン写真から得られる情報を
しっかりと読影して患者さんにお伝えします。

しかし、早期リウマチの場合、関節はほとんど破壊されていないので、
X線写真では判断しにくい場合が多々あります。

よって、血液検査の結果なども踏まえ関節リウマチを疑う場合には、
X線検査は数ヶ月ごとに定期的に行い、病気の進行の状態を確認します。

次のページでは、関節リウマチの薬物療法について見て頂きたいと思います。