骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症いついて、いろいろ見てただきましたが、
このページでは治療について御覧頂きたいと思います。

骨粗鬆症の治療の究極の目的は下記です。

骨粗鬆症に対する治療は、
1、痛みのあるとき
2、痛みのないとき

に大別されます。

1、 痛みのあるとき(圧迫骨折などによる痛みがある場合)

痛み止めのお薬、コルセット、骨粗鬆症のお薬などを用いて、痛みをとることを優先して治療が行われます。

当院では、特に患者さんの環境をお伺いし、お一人暮らしであれば一人で生活できるのか、痛みの程度などを確認し、

外来による通院治療が可能か、入院加療が必要なのかを判断しています。

急性期では、骨折があればコルセットを使って安静にしたり、痛みを和らげる治療を行います。

しかし、骨粗鬆症の問題点は、痛みがなくなれば、骨粗鬆症が治ったと勘違いしてしまうことです。

ですので、慢性期においても骨粗鬆症の治療が必要になってくるのです。

2、 痛みのないとき(圧迫骨折や転倒などを予防する)

骨粗鬆症のお薬、リハビリとして運動療法、転倒予防体操などを行います。

骨粗鬆症の治療薬

骨粗鬆症の治療薬は、近年様々存在します。

患者さんの生活環境などに合わせて、治療薬を選択し骨粗しょう症による骨折などの予防を行っています。

以下で、簡単に治療薬の特徴をご説明いたします。

骨粗鬆症の治療薬の効果は、骨の組織を壊す細胞(破骨細胞)に作用し、骨吸収を抑制することによって、

骨量を増やし、骨折しにくくします。(以下の図は、薬による治療のイメージ図です。)



治療薬の選択

1、ビスホスホネート製剤(破骨細胞の作用による骨吸収を抑制する)

1週間に一回服用、1ヶ月に1回服用、1ヶ月に1回点滴、1ヶ月に1回注射、1年に1回点滴とさまざま

骨粗鬆症の治療薬は、毎日朝おきてすぐに飲む薬から始まり、

今では1週間に一度だけ、起床時すぐ飲むものに変換してきています。

1週間に1度飲むことや、起床後すぐに飲みにくい方などには、今では1ヶ月に1度だけ飲む薬もあります。

また、飲み薬がどうしてもという方には、点滴や注射による投薬方法もあります。

最長で、1年に1度だけ点滴を行うものもありますが、定期的に血液検査などを行っています。

2、抗RANKL抗体薬(破骨細胞の形成を抑制することで骨吸収を抑制する)

6ヶ月に1度の注射

ビスホスホネート製剤とは、作用が少し異なりますが、破骨細胞に働き骨吸収を抑制する薬です。

特徴として、6ヶ月に1度の注射なため、薬を飲みたくない方には良いかもしれません。

また、6ヶ月に1度の通院で済むので、比較的遠方の方でも行いやすいかと思います。

3、副甲状腺ホルモン薬(骨を作る骨芽細胞の働きを高める)

毎日の(自己)注射、1週間に1度の注射

この薬は、破骨細胞に働きかける薬ではなく、骨を作る細胞(骨芽細胞)の働きを高めて、

骨の量を増やし、骨折の危険性を減らします。

上記の薬で効果がない場合などにも選択さることがあります。

治療の効果(治療によって良くなること)

骨粗鬆症の治療を行うことで、期待できる効果は以下の通りです。

1、背中、腰の痛みがなくなる。

2、姿勢が良くなる。背骨の芯がしっかりすると脊椎の起立筋力が向上し猫背が治る。

      結果、歩きやすく外出が増える。

3、生活が楽しくなる。買い物、掃除、洗濯、炊事などが苦にならない。

4、筋力が増して、運動神経も鍛えられ、体のバランスが良くなり、転ばなくなる。

5、食事がおいしくなり栄養状態が改善され元気になる。         

6、風邪をひいてもこじれない。肺炎を起こさない。

7、逆流性食道炎も改善する。

8、以上の結果、長生きすることが出来ます。

高齢化社会になってきており、平均寿命も年々高くなってきています。

しかし、平均寿命が長くなっても寝たきりの時期が長くては楽しく過ごすことはできません。

骨粗鬆症の治療をしっかり行い、健康寿命を伸ばし最後まで楽しい人生をお過ごしいただければと思います。

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