膝蓋骨不安定症は、徒手検査やレントゲン画像などの検査を行い、診断していきます。
膝蓋骨不安定症に対する徒手検査
1.膝蓋骨アプリヘンジョンテスト(patella apprehension sign)
上の写真のように膝蓋骨を把持します。
膝蓋骨を把持したまま、外側へ押し出すようにします。膝蓋骨の脱臼感(抜ける感じ)が出たら陽性です。
2.APS (Active Patella Subluxation) test
膝屈曲位
上の写真のように、膝を曲げた状態での膝蓋骨の位置を確認します。
膝伸展位
膝蓋骨を把持した状態で、膝関節を進展してもらい、膝蓋骨の外方偏移の有無を確認する。
レントゲン画像による診断
レントゲンによる診断は、wiberg分類を用いて判断します。
wiberg分類
上の図は、膝蓋骨の形を3つに分けたものです。
図の真ん中の「typeⅡ」と呼ばれる膝蓋骨の形は
内側(med)の斜面と外側(lat)の斜面の長さと傾きに
違いがあるのがわかります。
さらに、「typeⅢ」になると、内側はほぼ垂直の状態で、膝蓋骨も小さく見えます。
このようなtypeⅡとtypeⅢのような形状は膝蓋骨が大腿骨の溝に収まりにくく、
膝蓋骨が外側に動きやすくなります。
実際のレントゲン画像では、以下のように描出されます。
TypeⅠ
TypeⅡ
TypeⅢ
このように、膝蓋骨不安定症は、徒手検査やレントゲン画像、
圧痛また場合によっては関節の柔軟性を調べるために、全身関節弛緩性を確認します。
実際の症例は、別ページでご紹介いたします。