腰痛を訴えて来られた患者さんのレントゲン写真を撮影すると上の写真のように腰椎の一部が
欠けているように写る場合があります。
これを「隅角解離(ぐうかくかいり)」といいます。
これは、成長期に見られる骨端線の一部です。
そのほとんどは発症時に、一時的に痛みの原因となることはありますが、保存的治療にて
経過をみていてもよいとされています。
このページでは、隅角解離についての資料を元にどういった状態なのかを説明します。
隅角解離は成長期に発生する病態です
上の図にあるように椎間板が椎体の終板を貫いて骨端の下に入ったことにより、
椎体辺縁の骨端が椎体から離れた状態をいいます。
離れた骨端核の一部が完全に癒合しないままにあると上の写真の様に椎体の一部が欠けたような
画像になります(赤い丸で囲んだ部分)
MRI撮影では右の画像のように椎体の辺縁に輝度変化がみられます。
しかし、このような隅角解離の画像所見が見られたとしても
この病態が腰痛の直接の原因でないことがほとんどなのですが
腰椎分離症との鑑別を行なった上で経過をみていくことで問題ありません。
以下で実際の患者さんをご紹介します。
14歳の女性です。
1ヶ月前からチアリーディングとクラシックバレエの練習中に腰の伸展時痛を徐々に
感じ始めたので来院されました。
レントゲン写真の画像から隅角解離(左の写真)は確認できました
が所見から初期の腰椎分離症との鑑別をする目的でMRIを撮影しました。
MRIでは椎弓の輝度変化は認められず、腰椎分離症ではありませんでした
スポーツ中止の期間を設けて経過を見た結果、
現在は痛みもなくスポーツ復帰をされています。
10代でスポーツをしていて腰痛がある方は、
腰椎分離症との鑑別のためにも少しでも早いうちに専門医にご相談ください。