前回ご紹介したのは、主に上着を着ることを中心とした上半身のトレーニングでした。
今回は、ズボンや靴下をはく動作につなたがるようなトレーニングをご紹介します。
ただ、気を付ける点としては、股関節や膝関節の手術を受けておられる方は、
患部に過度な負担がかからないようにする点です。
そこで、どのような動作に注意するのかについてもご紹介します。
股関節周囲のストレッチ
ズボンを上げるという動作は、股関節の柔軟性がないと、ズボンに足がスムーズに入っていきません。
立ってズボンをはくことができれば、理想的ですが、転倒の危険性もあります。
そこでまずは、椅子に座った状態で股関節の柔軟性を高める運動をご紹介します。
股関節周りを柔軟にするために、自分の身体に足をひき寄せるようにしていきます。
痛みがある場合は、痛みのない範囲で行ってください!
股関節と腰の柔軟性を高めることで、足の動きをスムースにします。
一見、足とは関係の無いように思える腰のストレッチですが、
下肢にまたがる筋肉には腰から始まり、股関節を超えて大腿に付着する筋肉もあるので、
腰と、股関節を同時に動かすことが大切です。
膝関節周囲のストレッチ
膝関節で行われているのは、曲げる・伸ばすといった感純な動きですが、膝が伸ばしきれないとズボンがうまく上がりません。
また、靴下をはくときでも、ある程度膝の曲がりがないと手が靴下に届きません。
そこで、椅子に座った状態で、できる膝周囲のストレッチを以下でご紹介します。
大腿の全面を伸ばすことで、膝にかかり負担を軽くしていきます。
大腿の柔軟性をたかめることで、膝の曲げ伸ばしがスムーズにできます。
足関節周囲のストレッチ
ズボンをはくときに、足関節では、つま先を伸ばしたり、足指を天井に向けるような動作が必要になってきます。
足関節の他に、足裏や足趾をストレッチすることで、5本指靴下などをはく時にも、スムーズにはける様になります。
そこで、なるべく足先まで靴下を引っ張り上げるような細かい動きや、足趾をほぐすようなストレッチを行います。
大腿の後面と下腿をストレッチすることで、
足先の方まで、手を伸ばすことができたり、靴下を履く際に楽に手が届くようになります。
ゴルフボールを使って、足裏を刺激することで
足底の筋肉群のマッサージ効果があります。
足趾が動かしやすくなって、靴下を履く際に、スムーズに足が入るようになります。
https://www.youtube.com/watch?v=913mKc4dolkhttps://www.youtube.com/watch?v=IOP49JsjOuU
ズボンに足を通す動作をイメージしたトレーニング
ズボンをはくときに関係してくるのは、お尻をあげるという骨盤の動きも必要になってきます。
①骨盤を上げる
上の写真は、骨盤をあげたり、下げたりする動作です。
椅子に座った状態ならば、お尻をあげないと、最後までズボンが入り切りません。
写真の様に、椅子に座って行う際に、ボールをしいてその上に載ります。
あえて、不安定な状態にして、骨盤を動かしていきます。
②股関節を曲げる
上の写真は、足先をなるべく身体の方に近づけることができるようにするための運動です。
初めは、ボールを持った手と同側の足首を目指して
ボールをタッチしに行きます。
難易度を上げてボールを持った反対側の足首を目指すことで、体幹の運動にもなります。
https://www.youtube.com/watch?v=XuNOEeg8Pykhttps://www.youtube.com/watch?v=CjA5KG7thas
③足をズボンに入れる
ボールをつま先目指してタッチするための運動です。
一旦膝を曲げてあげていき、そして膝を伸ばします。
この一連の動作は、足をズボンに入れて、片脚を伸ばす動作につながります。
https://www.youtube.com/watch?v=fsmFULnm7d4
④ズボンを引き上げる
股関節の近くまで、上げてきたズボンを引き上げるには、腰を浮かさなければなりません。
上の写真の様に、足を手前に少し引いて、ボールを後ろに持って、腰を少し上げることで、
ズボンを引き上げる際の運動になります。
https://www.youtube.com/watch?v=xH7rkwCyPK0
⑤お尻を元に戻す
引き上げたズボンを、調整するときを想定した運動です。
ボールを両手で持って、身体をねじるようにして、お尻の外側に持って行きます。
すると、骨盤が傾き、お尻全体があげやすくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=NXQ8I1HizO4
日頃何気なくできていた動作が徐々にしにくくなってくると、完全に他の人に頼ってしまうこともあります。
ですが、できるだけ自分のことは自分でしたいものですよね?
以上のような運動を参考にして、なるべく自立した日常生活をおくれるように頑張ってみてくださいね!