ジャンパー膝とは?
特に、ジャンプやランニングなどによって膝を伸ばす動作を繰り返し行うことで、
図1で示す部分が炎症をおこし、痛みを呈する疾患です。
ジャンパー膝での典型的な自発痛と圧痛部位は、
右上の図の①~③で示すとおりです。
①膝蓋骨下端から膝蓋腱付着部(約70%)
②膝蓋骨上端から大腿四頭筋腱付着部(約20%)
③膝蓋腱中央から脛骨結節付着部(約10%)
ジャンパー膝で一番多く見られる痛みの箇所は①の部位です。
なぜこのようなことが起こるのですか?
1つは特に力学的に脆弱である骨・腱移行部に微細損傷が発生し、
疼痛・機能傷害の原因となっています。
その要因として、大腿四頭筋の柔軟性低下があげられます。
もう一つの要因としては、大腿四頭筋の筋力低下です。
一般的な報告では、膝蓋腱にかかる負荷量が問題とされており、
ランニング時には約670kg、ジャンプ時には約1200kgの負荷がかかるといわれています。
他の研究では、歩行時にかかる膝蓋腱の負荷量を1とするなら、
着地動作ではその約6~8倍もの負荷がかかるといわれています。
どんな人におこりやすいのですか?
どうして起こるかが分かれば、どんな人に起こりやすいのか予想はつくと思います。
種目別で言えば、バレーボールやバスケットボールに多く見られるのは当然です。
しかし、サッカーや陸上のように走る動作が多い種目にも見られることがあります。
年齢別では、16歳~20歳ぐらいの高いレベルでスポーツをする時期に多く見られます。
どんな症状がでるのですか?
自覚症状として、膝蓋骨周辺に運動時に痛みが起こります。
日常生活まで支障をきたすことは多くありません。
客観的には先ほども述べたように、膝周辺に特徴的な圧痛が見られます。
ちなみに、ジャンパー膝は重症度を以下のように分類しています。
だいたい治療院や病院を受診する患者さんは、
痛みをこらえてスポーツ活動を続けているため、Phase3になっていることが多くみられます。
治療はどうすればいいのですか?
①ストレッチング療法
大腿四頭筋の柔軟性をつけるために、上の図の様なストレッチを行います。
②運動療法
ゴムチューブを使った大腿四頭筋の筋力トレーニングです。
まず、足にゴムチューブをかけて、足がつかない程度の台に深く腰をかけます。
体がのけぞらないように姿勢を保持し、膝関節を最大限に伸ばします。
できれば、膝を伸ばす際に足首を自分の方へ向けるように意識してください。
すると、大腿前面(大腿四頭筋)が硬く力が入っていることがお分かりいただけると思います。
上の運動をして痛みがある場合には、下の運動に変えて行ってください。
寝た状態で膝を伸ばしたまま足を上げて、写真の状態にして2~3秒止めます。
再び足を下げて、また写真の状態まで上げます。
これは赤丸で囲んだ膝の前の部分の筋肉を鍛えています。
この運動のポイントは、足首を直角にしてから上げることです。
運動しない方の足は、写真のように曲げて置いてください。こうすると、腰が痛くなりません。
足自体を上げる角度はそんなに上まで上げる必要はありません。
上の写真で赤丸で囲んだ部分の筋肉を意識して行いましょう。
回数は、10回を2~3セットを朝晩行ってください。
③キネシオテーピング
このように治療を行っていきますが、
痛みが強いときにはスポーツ中止が一番の治療手段です。
しかし、スポーツを休まず続けるために、
当院では、このような治療を行いながら、患者さんをサポートしていきたいと思います。
このような症状でお悩みの方は、ぜひ当院まで御相談にお越しください!