ロッキングフィンガーに対する手術療法 (示指~小指)

示指~小指のロッキングフィンガーは、徒手整復による保存療法が治療の第一選択とされています。

しかし、繰り返しロッキング症状を起こす場合には、まれではありますが、

中手骨のVolar lip(骨性隆起)を削る手術療法を行います。

以下で、実際手術された方の症例をご覧いただきたいと思います。

39歳の女性です。
右示指MP関節部のひっかかりを訴えて来院されました。

5年前より右示指MP関節部を屈伸するとひっかかりがあり、
今まで2度右示指ロッキングフィンガーで整復をうけたがよくならないため、手術を希望して来院されました。

左のレントゲン画像は初診時の物です。
赤色矢印部分のVolar lip(骨性隆起)が通常よりも少し大きく見えます。

骨の形態を把握するため、CT撮影をおこないました。

左の写真はCT画像です。

赤丸部分が右示指MP関節部分です。

左のCT画像はMP関節を側面から見た図です。

白の線は側副靱帯を示しており、ピンクの線は副靱帯を示したものです。

緑の矢印はVolar lip(骨性隆起)を指しており、MP関節を屈曲すると引っかかる大きさであることが確認できました。

左のCT画像はVolar lip(骨性隆起)をいろんな角度から確認したものです。

黄色の矢印はVolar lip(骨性隆起)を指しており、
赤矢印は溝の部分をさしています。

Volar lip(骨性隆起)が大きいことが原因でロッキングが生じていることがわかったため、Volar lip(骨性隆起)を切除する手術を行いました。

赤色矢印で示した部分がVolar lip(骨性隆起)です。

屈伸でMP関節橈側に引っ掛かりを確認できました。

赤色矢印印の部分にVolar lip(骨性隆起)があり、青矢印は副靱帯を指しています。

この引っ掛かりを取り除くためVolar lip(骨性隆起)を切除しました。

左の写真は、切除したVolar lipです。

指のひっかかりが生じる原因となっていたVolar lipがなくなっていることがわかります。

手術後、レントゲン画像でも手術前のレントゲン画像と比較し、
Volar lipが消失していることがわかります。

手術後は引っ掛かりもないとのことです。

まれではありますが、繰り返すロッキングフィンガーは上記のように手術を行うことがあります。

レントゲン検査や、CT検査などでロッキング現象が起こっている状態を把握したうえで、
当院では上記の写真のような日帰り手術を行っております。

繰り返しロッキングフィンガーの症状が出る方は、お近くの整形外科の受診をお勧めいたします。

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