橈骨遠位端骨折は実際このように治っていきます

当院では、橈骨遠位端骨折に対して、手術をせずに治せる可能性のあるものに対して、積極的に保存療法を行っています。

以下で、実際橈骨遠位端骨折の治療経過をご紹介したいと思います。

〜症例1〜

63歳の女性の方です。

転倒して受傷されました。

受傷当日にフィンガートラップ整復を行って、ギプスを固定しました。

こちらの写真は整復固定を行った直後のレントゲン写真です。

転位していた骨片が正常な位置に戻っているのがわかります。

ギプスはこちらの写真のように、指先が使えるようにカットしてあります。

お箸を持ったりすることで、指が固まったりしないように、リハビリ効果も狙っています。

1か月半後のレントゲン写真です。

骨は癒合していて、安定しているので、手首を動かすリハビリを積極的に開始しました。

多少短縮が残っていますが、手首の機能には全く問題はありません。

〜症例2〜

83歳の女性です。

左手関節の痛みを訴えて、来院されました。

夜中にトイレに行ったときに、転倒し、手をついて受傷されました。

その後は、痛みが強くて寝れなかったそうです。

こちらの写真は初診時の外観写真です。

側面での外観写真で、手首と前腕の境で変形していることがわかります。 

レントゲンを撮ってみると、橈骨遠位端部での骨折(赤色矢印の部分)が確認できました。

手術による入院は嫌だとおっしゃり、通院による治療を希望されました。

まずは、骨折部の変形が著しいため、骨折した骨を元の位置に戻すように整復を行いました。

こちらの写真は、フィンガートラップを用いて、牽引を行いながら整復をし、ギプスによる3点固定を行ったものです。 

レントゲンを再度撮ったところ、骨折部は元の位置に戻っていることが確認できました。

約6週間のギプス固定による保存療法を行いました。

約3ヶ月後のレントゲン写真です。

骨折していた赤色矢印の部分が骨硬化し、骨癒合していることが確認できます。 

可動域も問題なく獲得できていて、日常生活上も不自由なく手を動かすことができておられます。

掌を上下に返す動作でも、左右差なく動かすことができていて、患者さんも満足されておられました。 

〜症例3〜

75歳の女性です。

右手関節の痛みを訴えて、来院されました。

1時間前、歩行中つまずいて前方へ倒れ、右手をついて受傷されたそうです。

こちらの写真は、初診時の外観写真とレントゲンです。

外観で、手関節の部分に変形が見られ、レントゲンでも赤色矢印の部分で骨折していることが確認できました。 

手関節が著しく変形しているため、フィンガートラップを用いて牽引し、整復した後、ギプスによる3点固定を行いました。

その後のレントゲンで骨折部を撮影したところ、骨折部は元に戻っていることが確認できました。 

ギプスによる固定療法は約6週間行いました。

こちらは、3ヶ月後のレントゲン写真です。 

骨折していた赤色矢印の部分は骨硬化していることから、骨癒合していることが確認できました。

可動域制限もほぼなく、日常生活での支障も訴えておられませんでした。 

掌を上下に返す動きでも、左右差なく行う事が出来て、患者さんは満足しておられました。 

橈骨遠位端骨折はよく見られる骨折で、手術的治療が行われる場合もあります。

確かに、骨折部分が不安定であればそういう治療もあるでしょうが、

少しでも手術をせずに不安定な骨折部分を安定させる方法があれば、
そちらの方が患者さんに対しては有効な治療になると当院では考えています。
(もちろん、全員がその治療に当てはまるわけではありませんが…。)

ですので、可能性があるならば、できるだけ固定療法で治療できるものは、固定療法で治そうとしています。

確かに手術が必要な場合もありますが、なんでもかんでも手術というのではなく、
できるだけ患者さんに負担のかからない治療方法を選択して、
患者さんの御希望に沿う形で、治療を進めていこうと当院では考えています。