中足骨疲労骨折(日常編)スポーツをしていないのに、疲労骨折って起こるの?

通常、疲労骨折とはスポーツ活動において、繰り返しの反復動作による筋肉の収縮や牽引力が原因で生じる物です。

特に、中足骨の疲労骨折はジャンプして着地した衝撃や、走るときの蹴り出しで特に大きな力が加わって起こります。

しかし、スポーツもしていないのに、中足骨疲労骨折をおこした患者さんについて、

以下で実際の症例をご覧いただきたいと思います。

中足骨の疲労骨折のメカニズムについては、こちらのページで詳細をご覧ください。

42歳の女性です。

左足背部(足の甲)の痛みを訴えて来院されました。

約1ヶ月半前より、痛みが出現してきたそうです。

痛みが出現してから、1週間後腫脹が出てきたため、
歩くのも困難になったそうです。 

仕事は、デパートの洋服の販売員をされており、
スポーツなどはつくにされていないそうです。

左の写真は初診時の外観です。

赤色矢印で示した部分が痛いとのことです。

左の写真は足の側面から見たものです。

左足背部の赤色矢印で示したところは、腫れており、
圧痛も認められました。

当院にお越しいただいた時点では、
痛みのピーク時より、半分程度まで痛みは軽減していたそうです。 

左のレントゲン画像は初診時のものです。

赤色丸印で囲んだ部分に、疲労骨折を疑うような仮骨が認められました。

しかし、問診では特にスポーツなどはされておらず、
疲労骨折を起こす原因は特にありませんでした。

痛みを軽減する目的で、横アーチサポーターを処方しました。

スポーツもしていないのに、仮骨のようなものが見られたので、
腫瘍も疑い、1ヶ月前に他院で撮影されたMRI画像を
後日お持ちいただくことにしました。 

左のMRI画像は、1ヶ月前のものです。

赤色丸印で囲んだ第2中足骨に、輝度変化が認められ、
疲労骨折で間違いないことがわかりました。

左のレントゲンは、当院に来られてから1ヶ月後のものです。

赤色丸印で囲んだ第2中足骨に仮骨が明瞭に確認できます。

この時点で圧痛は消失しており、痛みもなくお仕事できているそうです。

スポーツもしていないのに、なぜ疲労骨折が起こったのか、
何度もお話を伺っていると・・・。

仕事で、左の写真のような姿勢をよくされるそうです。

この姿勢を左足ですると、激痛が起こるそうです。 

左の写真のようなつま先を立ててしゃがむ姿勢をとると、
痛くて、赤色丸印のように 足趾を反り返らせることができないそうです。

スポーツをしていなくても、左の図のような動作を繰り返すことで、疲労骨折が生じていることがわかりました。

52歳の女性です。バスガイドの仕事をされており、よく歩くそうですが、スポーツは特にされていないそうです。

左の足背の痛みを訴えて来院されました。

1ヶ月前より痛く、歩き始めが特に痛いそうです。

2週間前には、痛みが強くなり、歩くのが困難になってそうです。

痛みで歩くのがやっとだということで、
2週間前よりお仕事も休んでおられるそうです。

左の写真は初診時の外観です。

赤色矢印で示した部分に痛みを訴えておられます。

左の写真は足を側面から見た外観です。

赤色矢印の部分が腫れていることがわかります。

痛みを訴えていたのは、左の第2中足骨の部分です。

左のレントゲン画像は初診時のものです。

このレントゲンでは、特に異常はわかりませんでした。

レントゲンでは、特に異常は認められなかったため、
エコー検査を行いました。

左の写真は初診時のものです。

赤色丸印で示した第2中足骨の表面の骨皮質に、
不整像(ずれ)が認められました。

 エコー画像と症状より、疲労骨折を疑い、
再度1週間後にレントゲン検査を行うようにしました。

左のレントゲン画像は1週間後の物です。

赤色矢印で示した部分に、仮骨が認められ、
疲労骨折であるということがわかりました。

左のレントゲン画像は初診時より3週間後の物です。

赤色矢印の仮骨が明瞭に認められます。

この時点で、痛みは消失しておられました。

この方も、特に疲労骨折を起こす原因となるような、
激しいスポーツなどをしておられなかったのですが、
仕事で歩きすぎることで、疲労骨折を起こしていることがわかりました。 

60歳の女性です。左足背部の痛みを訴えて来院されました。

2週間前より、特に思い当たる誘因なく、仕事は事務職でスポーツなどは特にされていないそうです。

会社の帰りに左足背部が外傷もなく急に腫れと痛みが出現したそうです。

放置していたそうですが、症状の改善がなく、当院へ来院されました。 

左のレントゲン画像は初診時のものです。

赤色矢印で示した第4中足骨の部分に痛みを訴えておられました。

レントゲンでは特に異常は認められなかったので、
経過観察することになりました。

左のレントゲン画像は初診時より2ヶ月後のものです。

赤色矢印で示した部分に仮骨が認められました。

2ヶ月前に痛みを訴えていた原因が
疲労骨折であるということがわかりました。

激しいスポーツなどは特にされていないそうですが、
不安の生活でよく歩かれるそうで、
それが原因で疲労骨折が起こっていたのだとわかりました。

疲労骨折といえば、スポーツ障害連想し、スポーツの過度な練習が原因で生じるイメージがあります。

しかし、今回のようにスポーツをしていないのに疲労骨折を起こしている症例を経験し、
歩きすぎることが原因で疲労骨折が起こることもあるということが症例からわかりました。

要因の一つとして、仕事で支給される靴を履かないといけないなどといった、
自分に合っていない靴を履いたことが原因かもしれません。

また、仕事特性で、繰り返しつま先立ちなどを行わなければならないような場合に、
疲労骨折が生じる可能性もあるのだということがわかりました。

疲労骨折はスポーツをしていない方でも生じます!

足が痛む場合には、我慢せずにお近くの整形外科を受診されることをおすすめいたします。