アテローマ (粉瘤腫) てっきりガングリオンだと思ったら、 実は・・・!

できものができて、放置しているうちに大きくなってきて、
ガングリオンとも違うし、これはなんだろうという場合があります。

皮膚のすぐ下にできる腫瘤の一つに「アテローマ」があります。

聞きなれない名前ですが、「アテローマ」ができて、相談に来られる方がたくさんいらっしゃいます。

アテローマは表皮の一部が皮下に入って、袋状になって増殖したものです。

一見、脂肪の塊かと思いがちですが、下の写真にあるように、
炎症を起こしてしまってひどく腫れてしまうものもあります。

このページでは、「アテローマ」とはどんなものなのか、
また、どんな治療を行うのかということについて御覧いただきたいと思います。

アテローマは表皮の一部が皮下組織の中に入り込んでしまった袋のようなものです。

表皮の新陳代謝で生じた垢のような古い細胞が袋の中に溜まっていくわけですが、
中に溜まったものは、一見豆腐の粕状に見えます。

できる場所は皮膚のすぐ下にできるので、体のいたるところで生じますが、
耳たぶや、背中、顔面部などに比較的多く見られます。

経過としては、徐々に大きくなります。

ガングリオンの場合は自然に小さくなったり、つぶれて消えてしまうことがありますが、
アテローマの場合は、中が充実性の組織ですので、
自然に消えることがないというのがガングリオンとの違いです。

しかも、小さいうちは皮下にコリコリとできものがあるなというぐらいにしか思いませんが、
大きくなり、化膿して腫れ上がってしまうこともあるので、注意が必要です。

ですので、治療としては、抗生剤を服用したり、切開して摘出したりします。

では、以下で実際のアテローマの患者さんについて、御覧いただきたいと思います。

69歳の男性です。

右ほほのあたりに、コリコリとしたできものがあり、気になって来院されました。

エコーを撮ってみると、約1cm~1.5cmの腫瘤が確認できました。

初診時には、痛みもなかったため、放置ということで様子をみておられましたが、徐々に大きくなってきたので、初診から2年後に、摘出手術となりました。

55歳の女性です。

首の左側にあった腫瘤が急に腫れて痛みだしたので来院されました。

瘤の周辺は赤く腫れ、化膿している状態でした。 

エコーで確認してみると、皮下に腫瘤が確認でき、
周囲に炎症を起こしていることがわかりました。

この方のように、感染した状態のアテローマは、
手術で取り出すことは難しくなるので 、
抗生物質を飲んでいただくことになります。

そして、表面上の炎症が落ち着いたときに、
切開して排膿します。

34歳の男性です。

3日前より、腫れてきて 痛くなりました。

見た感じでは、炎症もないようです。

アテローマは男性に多く発生します。

多くみられる発生部位は、背中や、腋周辺などです。

エコーを撮ってみると、1.5cm~2cmぐらいの腫瘤が確認できました。

64歳の女性です。

背中のしこりのある部分を手でかいたところ、痛みが出たので、来院されました。

皮膚の発赤があり、局所の熱感もありました。

その所見から、アテローマの感染による炎症だと判断しました。
 

エコーで皮下にある腫瘤を確認できました。

処置としては、局所麻酔を行って切開し、
内容物をとり出しました。

41歳の男性です。

肘のすぐ近くに腫瘤ができて、放置していたのですが、
非常に気になってきて来院されました。

エコーを撮ってみると、2.5cm~3cmの幅の比較的大きな腫瘤が確認できました。

肘の曲げ伸ばしはできるのですが、触れると違和感や痛みもあるので、初診から4ヶ月後に局所麻酔の下、内容物を取り出しました。

内容物からアテローマであると確認できました。  

38歳の男性です。

人差し指の腫瘤が2年前より出現し、少しずつ大きくなってきたので来院されました。

他の病院で、ガングリオンと診断されて、穿刺の処置を受けられたのですが、液体が出る様子もなく、腫瘤も小さくならなかったので、来院されました。  

レントゲンを撮って腫瘤が骨の一部分を侵襲するような映像はありませんでした。

皮下と骨の間にうっすらと腫瘤の影も確認できました。 

エコーを撮ってみると、
ガングリオンのような液体ばかりで埋められたような腫瘤ではなく、やや充実した液状の内容物があるようにも思えるので、アテローマと判断しました。

後日、手術を行い、内容物を摘出しました。 

摘出された内容物から、アテローマだと判断できました。

42歳の女性です。

正座をすると、膝の前に腫瘤ができて気になるので来院されました。

エコーを撮ってみると、内容物は充実した腫瘤が確認できました。

初診から1週間後に、内容物を摘出しました。 

アテローマはガングリオンのように自然に消えることはなく、少しずつ大きくなります。

ときには、感染してしまい、上の症例にもあったように、
化膿した内容物を摘出することもあります。

ですので、普段何気なく触って何か気になるようなできものなどがある場合、
アテローマかもしれません。

特に問題がないのであれば、
切除するかしないかは、患者さんの判断にもよりますが、
炎症を起こして痛くならないうちに、
一度病院で診てもらわれることをお勧めします。