筋肉量の減少は、加齢とともに生じてしまいます。
しかし、なんとか以下の図のように右肩下がりのグラフを横ばいにできればという思いで運動療法を行っています。
このページでは、運動療法の効果について調査したので、ご覧いただきたいと思います。
高齢化社会となっている今、「健康な65歳」から「活動的な85歳」へと目標が転換されています。 当院も、少しでも地域の高齢者方に貢献できるよう、体操教室を実施しています。 今回、体操教室に参加されている患者さんに、体力測定の結果から運動療法の効果を調べてみました。
健康寿命をのばすには
健康寿命とは、握力や筋肉量、歩行スピードなど密接な相関関係があると言われています。 加齢とともに握力や筋肉量、歩行スピードが低下することは、要介護状態などに陥りやすくなります。 健康寿命を伸ばすためには、これらの低下を予防し、進行を食い止めることが大切です。 そこで、3ヶ月〜1年間体操教室を継続されている患者さん、男性1名、女性65名を対象としました。
当院が実施している体力測定
体力測定は、筋肉量の計測、2ステップテスト、立ち上がりテスト、握力テストの以下の4項目を採用しています。
歩行速度は、施設の加減でこのようなオリジナルの方法で客観的評価を行い、
参加者のモチベーションにして運動を継続できるよう取り組んでいます。
左の写真の図は、In-Body社製の
「InBody570」という機器を使用しております。
右上肢・左上肢・体幹・右下肢・左下肢の部位別に筋肉量を測定し、各々の部位の筋肉量、また合計の筋肉量を計測し、トレーニングの効果をみています。
2ステップテストは、最大の2歩幅を計測し、
2歩幅÷身長で2ステップ値を算出し、数値化しています。
立ち上がりテストは、10cmの台を4つ用意し、立ち上がりができる高さを計測しています。
当院では、転倒などのリスクを回避するためにオリジナルで数値化し、評価を行なっています。
両足40cm、30cm、20cm、10cm、片脚40cm、30cm、20cm、10cmと順に1から8と点数化しています。
握力は、左右を計測しています。
平均で、男性は26kg、女性は18kgと言われています。
基準値を知っていただ、現状を把握していただくのに役立てています。
これらの体力テストは3ヶ月1度行い、参加者の方にはご自身の現状を知っていただき、
トレーニングに役立てていただいています。
体力測定の結果
1、体力測定の種目別(継続期間別に)
左の測定結果は、筋肉量の変化を示しています。
体操教室を3ヶ月、6ヶ月、1年間継続された方の筋肉量の変化を見ています。
3ヶ月、6ヶ月、1年継続している全ての方で、筋肉量の維持ができているの結果でした。
握力の変化は、運動前より運動後に低下していると結果は得られておらず、維持できていることがわかります。
2ステップテストも、数値が低下することは予防できており、1年経過しても維持できていることがわかります。
立ち上がりテストも、数値化した点数の低下は見られず、筋力の維持ができていると考えられました。
2、年齢別の筋肉量の変化
左の図は、年齢別にトレーニングで筋肉量に変化が出たのかを調査したものです。
60歳代の方は、筋肉量は維持することができています。
左の図は、70歳代の方の筋肉量の変化を見たものです。
70歳代の方も、筋肉量は維持することができています。
左の図グラフは、80歳代の肩の筋肉量の変化です。
大きな減少は見られず、筋肉量を維持できていると言えるかと思います。
以上の結果よりどの年代でも運動(体操教室への参加)することで筋肉量、筋力の維持ができていることがわかります。
体操教室は、高齢者にとって健康寿命を延ばすのに効果があります。 今後も、高齢者の健康寿命を延ばす取り組みを続けていきたいと考えています。 自宅でできる運動なども指導していますので、お気軽にご相談ください。