気持ちよく起き上がれるようにしましょう!

普段生活の中で、何気なく行っている動作の中には、
身体の状態が悪くなると、以前簡単にできていたことが、やりにくくなってしまうものがあります。

その例として、寝返りや、起き上がり、座った位置からの立ち上がりなどがあります。

これらの動作は、「基本動作」といって、生活に密着した動作です。

介護保険の認定調査などでも、この「基本動作」ができるかどうかが基本になります。

このページでは、基本動作がしにくくなった場合に、
どういったことに注意して、どういった運動をすれば良いのかについてご紹介していきたいと思います。

寝返り動作の運動

楽に寝返りを打つためには、まず頭を浮かせた状態になれるかどうかがポイントです。

頭をうまく浮かせるようになると、連動して腹筋にも力が入るので、身体が動かしやすくなります。

上の写真にあるように、おへそをのぞこうとして見るだけで、起き上がる第1段階の運動になります。

この動きを10回1セットとして行ってください。

次に、身体をねじる動作が必要になってきます。

膝を曲げて、それを保つだけでも力が入りますが、
足の重みを利用して、左右に振るようにして、お尻を浮かせるように運動をします。

こうすることで、寝返りや起き上がり動作がしやすくなります。

左右に振るのを10回1セットとして、行ってください。

起き上がり動作の運動

起き上がろうとする瞬間は、体幹に力が入っています。

腹筋と背筋の両方に力が入ることによって、身体が起き上がってきます。

そこで、体幹筋に力を入れることを意識していきます。

最初にご紹介したおへそをのぞく運動の上級編です。

おへそをのぞくと同時に、肩を浮かすぐらいに身体を起こしていきます。

ほんの少しでもいいので、床から肩を浮かす意識で行ってみてください。

肩を浮かしたら、3秒キープして、また元に戻すことを10回1セットとして行ってください。

背筋と殿筋に力を入れる練習です。

腰を浮かすことで、背筋に力が入ると同時に、腹筋にも支えようとする力が働きます。

この運動は、座っている姿勢を保つためにも、有効で、上半身をしっかりと支えることにも役立ちます。

お尻を浮かせて3秒キープして、元に戻すということを10回1セットとして行ってください。

足を浮かすための運動です。

上の写真は、大腿部の筋力トレーニングですが、同時に下腹部の腹筋のトレーニングにもなっています。

つま先を天井に向けることで、下腿の全面の筋肉も使いますので、立位姿勢を保つためにも大切な運動です。

起き上がり動作の手順

上で、ご紹介した運動は主にベッド状で寝返りを打ったり、身体を起こすための運動です。

それらをトレーニングした上で、起き上がり動作に移るわけですが、
起き上がるときには、いろいろな場面でのポイントがあります。

からへ身体を動かすとき、膝を立てて、その重みで身体を横向きに倒すと、身体が倒れやすくなります。

からへ身体を動かすときに、膝と股関節はしっかりと曲げて置く方が楽に起き上がれます。

上半身では、床側についている肘を曲げて、それを伸ばすことで、肘で支えて起き上がるイメージで起き上がってきます。

立ち上がり動作の後半は、股関節と膝関節をしっかりと曲げる状態を保つことが大切です。

③と④にあるように、なにか捕まるところがあれば、股関節に負担をかけずに立ち上がることができます。

人工股関節や、人工膝関節の手術後の方は、なかなか上の写真のような姿勢をとることが難しいのですが、
運動で、関節が固まらないように曲げ伸ばしの運動を少しするだけでも起き上がるときの動きがスムーズになります。

立ち上がり動作の基本

今度は、座った位置から立ち上がる動作の手順です。

少しでも楽に立ち上がれるようにするためには、からのように足を後ろへ引きます。

膝をなるべく90°以上曲げておくと、後が楽です。

次にのように、前屈みになると、

重心が前に移動しやすくなります。

もしこの場面で、前に捕まると故ドガあれば、膝への負担が小さくなります。

でお辞儀をするようにして、お尻が浮いたら、その勢いでのように立ち上がることができます。

解除する側の方も、お尻が浮けば、少し手を添えて助けて上げることで、立ち上がりが楽にできます。

通常の椅子の高さで、立ち座りを繰り返していますが、基本動作は、
1.足を後ろに引く。
2.前屈みになる。
3.お尻を浮かせる。
この3つに集約されます。

以下の動画で、椅子の高さを変えて、立ち上がる練習をしていますが、
基本の3つの動作には変化はありません。

1.通常の高さの椅子からの立ち上がり動作の運動

2.少し低めの高さの椅子から立ち上がる運動

3.かなり低い高さの椅子から立ち上がる運動

上の運動は、特別な運動機器などは必要なく、
お家にあるベッドや椅子などを使いますので、お家でも簡単に行っていただくことができます。

今までで楽にできていた寝返りや、椅子からの立ち上がりがちょっとしづらくなったと感じた場合には、
上でご紹介した運動をやってみてください。

うまく楽に身体を動かす方法を獲得して、
日常生活をもっと楽しめるようになっていただきたいと思います。

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