膝関節の痛みの原因の一つに、半月板損傷があります。
本来半月板は、膝関節の中で体重を分散する働きや、関節のスムーズに動かす役割があります。
しかし損傷した半月板は、膝関節のスムーズな動きを妨げることになり、
痛んだ半月板が引っかかっり、膝関節が曲げられなくなります。
このページでは、半月板がどのような役割を持っているのかご説明していきたいと思います。
半月板とは?
膝関節を構成する大腿骨と脛骨の間に半月板は存在します。
下の図は、膝を正面から見た図で、脛骨の上に内・外側に半月板が存在します。
下の図は、半月板を斜め上から見た図です。
内側半月板は、外側に比べてやや大きくC状で、外側半月板はO状の形態です。
主に半月板が損傷するとされているのは、半月板の中央からやや後方部分に多いとされています。(赤○印で示した部分)
半月板の断面を見ると
下の図は、膝関節の内側の断面図です。
半月板の外側には、血管があり血流分布があります。
しかし、内側には血管がなく血流がありません。
半月板の血管が走っている付近には側副靭帯がすぐ傍にあるので、
側副靭帯の損傷が高度であれば、半月板も同時に損傷されることがあります。
半月板の役割
下の図にあるように、半月板は膝を伸ばしたときと、曲げたときに若干移動します。
そうすることで、体重をうまく支えて、その力を分散する効果があります。
膝を曲げた状態では、それぞれの半月板が後方に移動します。
横から見ると、半月板は大腿骨と脛骨の間でうまくクッションの役割をして、
膝を曲げた時には、後方に移動して、骨と骨の間に挟まりこむようになります。
半月板損傷はどのようにして起こるの?
半月板の受傷機転は、下の絵にあるように、
曲げた状態でさらに捻りが加わると、
内側、もしくは外側どちらかの半月板が損傷することになります。
また、半月板は単独で損傷されること以外に、
靭帯断裂に伴って損傷されるケースもあります。
それは、一回の外傷によって靭帯損傷と半月板損傷が同時に起こる場合もありますし、
以前に、前十字靱帯が損傷されていて、膝の安定性がない状態が続き、
後に、半月板が損傷を受けることもあります。
半月板損傷が起こると、どうなるの?
半月板損傷に見られる症状には、
キャッチングと呼ばれる膝の屈伸時の違和感や、
階段を下りる時などに膝が崩れるようなギビングウエイと呼ばれる現象があります。
下の図にあるように、膝の曲げ伸ばしを繰り返していると、
正常な状態では、半月板がうまく滑走して膝の動きがスムーズになるのです。
半月板が傷ついた状態だと、
曲げ伸ばしの際にひっかっかりが生じます。
それが、上で説明した膝の違和感の原因です。
さらに、断裂した半月板が下の絵のように、関節の中でひっかかった状態になっている場合は、
ロッキングといって、膝が動かなくなってしまいます。
別ページでは、半月板損傷で半月板がどのようになるのか、
MRIの画像や実際の患者さんの症例を踏まえて詳しくご説明いたします。