オスグッドシュラッター病とは?
脛骨粗面部に発生する骨端症の1つで、
発育期の代表的なスポーツ傷害です。
どんな人におこるのですか?
10歳から15歳ぐらいの小・中学生に多く発症し、割合としては男子に多く発症します。
女子の方が1~2歳早く発症します。
スポーツ活動性の高い、
特にバスケットボールやバレーボールなどの
ジャンプが多いスポーツをしている人によく見られます。
また、サッカー選手なども多く発症します。
学校での体育以外はしていないスポーツレベルの低い方でも発症する場合があります。
どんな(何が起こっている)病態ですか?
病態は脛骨粗面部の骨化過程との関係が大きく、
11歳ごろから脛骨粗面部に骨化核が出現し、徐々に近位部へ発育していくが、
14歳ごろに前下方へ伸びてきた脛骨近位骨端核と癒合し。
舌状突起を形成し、
最終的には男性で18歳ごろに骨化する。
この時期の付着部は腱、線維軟骨層、石灰化線維軟骨層、硝子軟骨層という構造をとり、
石灰化前線が認められます。
石灰化前線が出現してから硝子軟骨層が消失し、
付着部が成熟骨になるまでの期間は力学的ストレスに弱く、症状が出現し易いです。
なぜ発症するのですか?
要因として、内的要因と外的要因があります。
内的要因の一つとして発育過程における筋・骨格系の問題があります。
これは簡潔に説明すると、
骨の成長(身長の増加)に筋肉の成長(筋腱の伸張)が追いつかないことが
原因とされています。
男子では13歳、女子では11歳前後に発育急進期があり、
大腿四頭筋の緊張を引き起こし、脛骨粗面部へのストレスとなります。
他には、
内的要因としてアライメントの異常などがあげられます。
外的要因としては、トレーニング量やシューズ、環境(サーフェースの硬さ)があげられます。
どんな症状ですか?
脛骨粗面部の疼痛が主訴で、
疼痛は運動時、
特にジャンプなど大腿四頭筋を強く収縮させる動作時に顕著となります。
歩行時や階段昇降時にも疼痛が出現することがあります。
脛骨粗面部に軽度の腫脹や熱感、圧痛が見られます。
正座時に脛骨粗面部が床面に接触すると疼痛が誘発されます。
関節可動域は比較的保たれていますが、
膝関節最大屈曲時に疼痛が多く見られます。
進行すると、脛骨粗面部に骨性の隆起が見られます。
大腿四頭筋の緊張が強い場合には、
下の図のように尻上がり現象が見られます。
治療はどうすればいいのですか?
まずは、スポーツを中止して安静加療が必要です。
もし、運動後に痛みが生じた場合にはアイシングを行ってください。
治療はストレッチングが効果的です。
以下でストレッチングの方法をご覧ください。
治療
①ストレッチング
ストレッチその1
(一人で行うストレッチ)
ストレッチその2
(二人で行うストレッチ)
ストレッチの目的は大腿四頭筋を伸ばすことです。
大腿四頭筋の一般的なストレッチをすると、痛みが出る場合が多いので、
上の図の様なストレッチの仕方の工夫を参考にして、実践してみてください!
②装具療法
装具で痛い部位を押さえて、
膝蓋靭帯を介して脛骨粗面に加わる大腿四頭筋のけん引力を減少させます。
このように治療を行っていきますが、
痛みが強いときにはスポーツ中止が一番の治療手段です。
しかし、スポーツを休まず続けるために、
当院では、このような治療を行いながら、
患者さんをサポートしていきたいと思います。
このような症状でお悩みの方は、ぜひ当院まで御相談にお越しください!