足のためを思って、しっかりとホールド感のある靴を選んで履かれる方も多いと思います。
そういった靴は、確かに足には良いのですが、靴のエッジ部分が硬くなっているものがあり、
その硬い部分が足に当たって、痛みを生じる場合があります。
以下で実際の症例をご覧いただきたいと思います。
70歳の女性です。
足をしっかりと保護するために、ハイカットシューズを買ってはき始めてから、
左内くるぶしに痛みが出てきたそうです。
左の写真は初診時の外観です。
赤色矢印の部分に痛みがあります。
左の写真は足の内側が痛くなるハイカットシューズです。
見た目のとおり、作りがしっかりとしていて、硬い素材を使用し、
足をしっかりとホールドするような作りになっています。
左の写真は実際にこの靴を履いていただいたときのものです。
靴のエッジの部分が、赤色矢印の部分に当たって、
痛みが生じることがわかりました。
また、エッジ部分は硬い素材のため、触れると痛いそうです。
処置としては、この部分が当たらないように、
踵を高くする足底板を入れました。
29歳の男性です。
ジョギングをすると、左足の外くるぶしの下が痛いということで、来院されました。
左の写真は初診時の外観です。
赤色矢印の部分に痛みが出ているそうです。
ジョギングの時に足が痛いということでしたので、
ジョギングしているときに履いている靴を持ってきていただきました。
赤色矢印の部分で示したところに靴のエッジ部分が当たって食い込み、
痛みが出ていることがわかりました。
食い込んでいるところに指を入れ、少し空間を作ってあげるだけで、
痛みは軽減するとのことでした。
靴が痛い部分に当たらないよう、足底板で踵を少しあげる処置を行いました。
10歳の男の子です。
左内くるぶし下の痛みを訴えて来院されました。
左の写真は初診時の外観です。
靴を履くと、赤色矢印の部分に痛みが出るとのことでした。
左の写真は、初診時のエコー画像です。
痛みの出ている場所を見てみると、赤色矢印でしめした部分が低エコー像となり、
健側に比べて、少し腫れが出ていることがわかりました。
実際に履いた時に痛い靴を持ってきていただいて、
靴を履いた状態を確認したところ、
靴のエッジ部分が赤色矢印の部分の内くるぶしの下に食い込んで、
痛みが出ていることがわかりました。
この方にも、踵が上がる足底板を処方し、
痛い部分が当たらないように処置しました。
45歳の女性です。
右足小趾の付け根の付近のしびれを訴えて来院されました。
左の写真は初診時の外観です。
斜線部分で示したところにしびれがあるそうです。
左の写真の赤色矢印で示した部分に、靴を履くと痛みが出るとのことでした。
靴を履くと、外くるぶしの下の部分が痛く小趾の付け根あたりがしびれて、
知覚低下が出るとのことでした。
原因となる靴を、後日持参していただき、
実際に履いてみていただいて、確認したところ、
靴のエッジ部分が痛いところに食い込んでいることがわかりました。
この靴のエッジのくいこみで、腓腹神経が圧迫を受け、
「腓腹神経麻痺」によるしびれであることがわかりました。
靴の作りがしっかりしているため、
痛いところに靴が当たらないようにするために、
足底板を入れる処置を行いました。
しっかりした素材で靴を作っている場合、エッジの部分で足首に食い込み、痛みが出現することがあります。
また、それに付随して、神経を圧迫する場合があります。
長時間、靴のエッジの部分で足首が圧迫されると、足にしびれ感が出現することもあります。
そういった場合、痛みを起こしている場所に、負担がかからないよう、足底板で踵を高くしてあげることが一つの対処法です。
足がしびれる場合、首や腰などに原因がある場合もありますが、
上記のように、靴が問題で足がしびれる場合もあります。
足がしびれていて、首や腰に検査をして異常がない場合には、
靴が原因になっていないかどうか、一度チェックしていただくことをおすすめいたします。