膝蓋骨疲労骨折

膝蓋骨は膝を前から打つことでよく骨折しますが、疲労骨折としては非常に稀だといわれています。

このページでは、どういう発生機序でおこるのか、また膝蓋骨疲労骨折はどういう経過をたどるのかについてご覧いただきたいと思います。

膝蓋骨疲労骨折が起こるメカニズム

上の図は膝蓋骨疲労骨折が生じる要因について示したものです。

大腿四頭筋が上方へ引っ張ろうとする力と、膝蓋靭帯に働く応力の合力のベクトルが膝蓋骨と大腿骨との間に生じる強力な圧迫力が生まれます。

この圧迫力によって膝蓋骨後面では圧迫力が働き、前面では牽引力が上下に働くことになり、疲労骨折が生じます。

この疲労骨折は、スポーツでは、バスケットボールやバレーボールなどの跳躍系スポーツに多くみられるとされていることから、
繰り返すジャンプ動作が誘因となっている様です。

ジャンプの繰り返す動作だけでなく、そのほかに筋力や筋肉の柔軟性が欠けるなどの要因もこの疾患の原因になると言われています。

MRIなどを撮ることで、この疾患はすぐに鑑別診断が可能です。

過去の報告例では、骨折部分の開きがないものは、経過を見る保存療法で問題はないのですが、
骨折部分に開きがあるものは、手術療法を行う方が望ましいとされています。

いずれの療法をとるにしても、スポーツ復帰できるようになるまでは、2~3カ月必要になります。

ですので、なるべく早く発見して、治療を早く開始し、早く治癒させることが重要になります。

こういったスポーツをやっておられて、膝の前面に明らかな怪我の既往がなくて、
膝の前面部に継続して痛みがあるという方は、
早い目に医療機関を受診されることをお勧めします。

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