橈骨神経は、枝分かれしていく途中において、どの部位で圧迫を受けるかによって、症状が違ってきます。その一つに橈骨神経浅枝麻痺があります。

橈骨神経麻痺には指の動きが全く障害されずに、しびれ感覚だけが障害される場合があります。これを橈骨神経浅枝麻痺といいます。橈骨神経の枝が青い丸の部分から皮膚に近い所へ出ています。

橈骨神経浅枝の上を強く圧迫されると、手の親指と人差し指にかけての部分(水色で塗られている部分)がしびれてきます。
症例1

上の画像は初診時の外観写真です。
32歳の女性です。3日前に朝起きた時に手の甲の痺れに気がついて御来院になりました。
圧迫していた原因ははっきり分からなかったのですが、赤矢印の先に示した部分に叩くと響くところがありました。

斜めにして角度を変えて写真を撮っています。
叩いて響く部分が、ちょうど橈骨神経が手の内側に出てくるところです。指はちゃんと動くので、橈骨神経の感覚枝が原因で、マヒがおこっているのだと判断しました。治療としては、経過を見るだけで回復していくので、特に処置はしていません。
症例2

44歳の男性です。左母指、示指背側のしびれを訴えて来院されました。
1ヶ月前より朝出勤してから帰宅するまでの間時計のバンドをきつく締めており、その後3週間前からしびれが出現したそうです。また、初診時の所見ではバツ印のあるところでチネル様徴候がみられました。

上の写真は実際に時計を着用している外観です。時計のバンドとチネル様徴候のあった場所が一致しているのがわかります。(赤丸印の部分)
治療としては特に処置はせず、原因である時計のバンドをゆるく着用していただくように指示し経過観察としました。
症例3

69歳の女性です。左親指のしびれを訴えて来院されました。
左橈骨遠位端骨折治癒後、サポーターをしてからしびれが出現したそうです。また、初診時の所見ではバツ印のあるところでチネル様徴候がみられました。

上の写真は実際にサポーターを着用している外観写真です。サポーターとチネル様徴候の場所が一致しているのがわかります。(赤丸印の部分)
この方もサポーターのバンドを緩めるよう指示し、経過観察としました。
この病気はほとんどの場合で時計のバンドやブレスレットなど物理的な圧迫が原因で生じることが多い疾患です。
また、治療も経過観察で治ります。
手がしびれた場合、念のために整形外科を受診して、きちんと診てもらわれることをお勧めします。