バランスを上手にとりながら、 移動ができるようにトレーニングしましょう!(脳卒中・片麻痺編)

脳梗塞による後遺症として、半身麻痺が生じている場合、身体を動かす場合、非常に不安定な場面が出てきます。

例えば、歩くときに麻痺側に倒れそうになったり、椅子から立とうとしたとき、足が踏ん張りきれず、転倒しそうになることがしばしば見られます。

下肢筋力を鍛えたり、何かに捕まって立ち上がる練習などをする方法もありますが、
いずれにしても根本的に注意しないといけないのは、重心移動のやり方を身体に覚えさせることです。

このページでは、たっている姿勢を保つために大切な重心移動を
意識したトレーニングについてご紹介していきたいと思います。

立位保持をするために必要な条件とは?

立った状態を保つためには、座っているときに比べてより足の裏が床についていないといけません。

半身麻痺がある場合、麻痺側の方にはどうしても体重がかけにくくなっているので、
両足で自分の体重を支えているという意識付けが大切です。

体重をつま先や踵にかけるトレーニング

立位で体重を前後にかける訓練です。

踵やつま先が上がらなくても大丈夫です。

体重を前、もしくは後ろにかけるだけでも十分です。

立ったり座ったりで、バランスをとれるようにするためには?

立位の保持が難しい原因の一つに、大腿の筋力の不足があります。

立位がとれても、膝を伸ばす大腿の筋力が弱かったら、腰が引けるような状態になって、後ろへ倒れそうになります。

また、膝崩れという現象が生じて、立っている姿勢を保つのに、恐怖感を覚えます。

これらを改善していくトレーニングが、こちらです。

軽く膝を曲げ伸ばしするトレーニング

深く膝を曲げる必要はなく、軽くその場で屈伸運動をします。

このとき、なるべく姿勢はまっすぐに保ったままで、太ももに力を入れることを意識します。

そうすることで、立位保持に必要な大腿の筋力をつけることにつながります。

身体をねじって体重移動をスムーズに行いましょう!

立位保持から、歩き始めるとき、身体はねじりながら動き始めています。

片足を降り出す瞬間は、骨盤が回旋しています。

半身麻痺があった場合、骨盤の回旋がうまくできずに足を振り回すような歩き方になってしまいます。

このようなうまく体重移動ができない原因が、骨盤の回旋にあると考えた場合、
以下のように段階を踏んでトレーニングをすることが良いと思います。

座って、骨盤の回旋を意識したトレーニング

椅子に座って、身体をねじります。

なるべく、回転する方向の骨盤を前に出すような感覚でねじってください。

このトレーニングを応用したものが下の動画です。

椅子に座った状態で、お尻で歩きます。

膝をついて、体重移動を意識したトレーニング

膝立ち姿勢で骨盤を左右に傾けます。

なれてきたら、より片方に長く重心を移動できるようにします。

膝立ちの状態で、歩きます。

このときに、骨盤が前後することを意識して行います。

手すりを持って、立位をより安定させるトレーニング

手すりを持って、もも上げ運動をします。

患側と健側を交互に行います。

なるべく片足でたつ時間がゆっくりとなるようにして、体重移動をスムーズにできるようにします。

手すりを持って、足を一歩前に踏み出します。

そして、また元に戻します。

足の筋力トレーニングになると同時に、前後への体重移動の練習にもなります。

手すりを持って、立った状態で骨盤の回旋を意識したトレーニング


最初は両足をついた状態で骨盤の回旋を行います。

なれてきたら、健側の足を軸にして、患側の足を大きく振り出します。

手すりを持った状態で足を振り出しますが、振り出した足が緊張してしまう場合は、スタッフが足を持って誘導します。

半身麻痺が生じて思うように身体が動かせないストレスは、
昔できていたことができないというだけに、非常に大きなものだと思います。

最初はうまくいかなくても、時間をかけて少しずつトレーニングしていくことで、
立ったり座ったり、あるいは歩くという日常生活動作に徐々に変化が見られてきます。

トレーニングを続けることで、
身体が動かしやすくなるということを感じてください。

最初はつらく思われることもあるかもしれませんが、
スタッフが、ご一緒にトレーニングのお手伝いさせていただきます。

ご一緒に、安定した日常生活動作を取り戻していきませんか!

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