膝蓋骨不安定症はどうやってリハビリするの?

膝蓋骨が不安定な方のためのリハビリは、
膝の悪い方のための一般的なリハビリとはちょっと違います。

このページでは、膝蓋骨不安定症の方のためのリハビリについて
御覧頂きたいと思います。

下の表は立った状態で膝を曲げていくのと、
おもりをつけて膝を伸ばしていく運動を行ったときの
膝蓋大腿関節の接触圧を示しています。

立位での場合は膝を曲げるにしたがって膝蓋大腿関節への圧力が上がっていきます。

また、おもりをつけて膝を垂らした状態からあげていくと、伸ばすに従って圧力が上がっていきます。

ですので、膝蓋大腿関節に負担をかけないようにするには、
①立った状態で少し膝を曲げる
②膝を伸ばしきった状態でおもりを少し上げる
という2つの方法が膝蓋骨に負担なく、効率良く運動できる方法です。

このリハビリ運動は以下の図にある「内側広筋」()を鍛えます。
「内側広筋」を鍛えることで、
膝蓋骨が外側に逃げないようにします。

以下で実際のリハビリ運動を見ていただきたいと思います。

膝を垂らした状態から運動する場合の写真です。

決して膝を完全に伸ばしきらないようにしましょう。

この写真ではゴムチューブを使って、
膝をほんの少しだけ伸ばすところで止めます。

3~5秒静止した後に元に戻します。

これを10回1セットとして、
初めは1セットから、
慣れてくれば2~3セット行いましょう。 

これは、膝を伸ばしきった状態で行う運動です。

完全に膝を伸ばしきった状態から、
太ももを少し上にあげます。

膝を曲げ伸ばしするのではありません。

この写真ではベッドに腰掛けていますが、
背もたれつきの椅子に座って行っていただく方が、
やりやすいと思います。

上の写真の運動をつま先を真上にあげた状態で行うと、
左の写真でピンクの丸が付いている
太ももの前の筋肉(大腿直筋)が鍛えられます。

つま先を外側に向けた状態で太ももをあげると、
左の写真のピンクで囲んだ太ももの内側部分
(内側広筋)が鍛えられます。 

最後に、立った状態で運動を行います。

この運動を行う時には、
壁や椅子などに片手を置いて
バランスをとるようにしましょう。

立った状態で行うこの運動では、
膝を曲げすぎないことに注意しましょう!

実際の生活では
こういった状態で膝を曲げる動作が多く、
この運動はすごく効果的です。

立った状態で膝を曲げる時には、
膝とつま先の位置が
まっすぐ前を向いていることを確認してください! 

左の図のように、
内股状態で膝を曲げ伸ばしすることは、
危険です!

このような状態になっていないか、
確認しましょう! 

膝蓋骨不安定症や膝蓋大腿関節症と呼ばれる
膝蓋骨に関する疾患には運動療法が効果的です。

すぐに痛みが取れるなどの即効的な効果はありませんが、
続けていくうちに膝の使い方がうまくなって、膝蓋骨の位置が安定してきます。

リハビリで鍛えることで、
不安定な状態からの脱却をはかりましょう!

毎日少しずつリハビリ運動を続けることが膝の安定につながります。

膝の違和感を感じながら過ごすことは、膝関節を傷めることにもなりかねません。

「何か私の膝っておかしいんじゃないかな~?」と思われた場合には
早い目に専門医に御相談ください。

膝蓋骨不安定症のリハビリについて、質問事項などありましたら、
リハビリルームにて、スタッフに御気軽にご質問ください。

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