肩こりを改善する方法は?(胸郭出口症候群の改善方法)

肩がこったり、腕や背中がだるくなったりという症状でお悩みではありませんか?

そんな時、病院へ行くと「胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)」と診断されたという方も多いと思います。

でも、「胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)」って聴きなれない言葉だし、
それって何だろうと思われるのではないでしょうか?

このページでは、「胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)」とはどんな症状をいうのか、
そして、その治療についても御覧頂きます。

肩こりの原因には下の絵にもあるように、
骨や椎間板が原因による骨格の問題に加え、
ストレスや睡眠不足などが重なって生じます。

骨格的な問題として、「なで肩傾向」もそのひとつです。
しかし、それだけでは症状として現れませんが、
さらにストレスや負担のかかる姿勢等が加わって、肩こりや腕のだるさがでてきます。
これらの問題を総称して「胸郭出口症候群」と言います。

胸郭出口症候群の病態

右首から右肩にかけての解剖図です。

この疾患は、「胸郭出口」と呼ばれる、神経と血管の通り道での圧迫により、様々な症状が出てきます。

左図の赤丸で囲んだ二箇所の部分で血管や神経が圧迫されるのが原因です。

まず、首の付け根の方で前斜角筋と中斜角筋、

そして鎖骨の3つで囲まれたところを神経(黄色いライン)と血管(赤いラインと青いライン)が通ります。

もう一箇所、鎖骨に近いところで、

神経と血管が筋肉と骨の間通り抜けるところがあって、小胸筋が圧迫の原因になります。

この部位が、ある種の動作を行うときに腕や肩がだるくなったりすることがあります。

これが胸郭出口症候群の病態です。

背中側から首や肩を見た解剖図です。

この図のようになで肩であると、腕が重力によって下に引っ張られ、筋肉が緊張を強いられます。

胸郭出口症候群の患者さんの首のレントゲンと、

正常な人の首のレントゲンを比べてみると、違いがはっきりわかります。

胸郭出口症候群の患者さんの首が長く見えていることがわかりますか?

頚椎は7つでこれはどちらも変わりはありません。

でも、胸郭出口症候群の患者さんは腕が下がっているので、胸椎まで写っています。

正面からレントゲンを撮ってみると、鎖骨が水平になっているのがわかります。

普通は鎖骨はややV字型に写って見えるものなのですが、

肩が下がっているために鎖骨が引っ張られて、鎖骨が平行になってしまいます。

症状は、首や肩の凝り感の他に、腕のだるさやしびれ感が生じます。

左の二枚の写真に違いがあるのがわかりますか?

よく見ると、肘の位置が違うのがわかります。

左のように肘を上げてさらに腕を上げると、手の血流が途絶えて血行障害が生じて、掌が白くなっています。

このように、腕を上げている動作が長く続くと、症状がはっきりと出てきます。

治療の方法は、肩こりに対してのマッサージや、肩周辺の筋肉のストレッチングを行います。

しかし、こういった治療はあくまでも対症的な治療なので、根本的な解決にはなりません。

大切なのは日ごろからのケアーです。

この図のように、姿勢を正しくすることが一番の方法です。

胸郭出口症候群の患者さんは腕が下がるので、首が曲がり、背中も曲がりがちです。

これが肩にかかるストレスの原因です。

上から引っ張り上げられているようなイメージで、姿勢を正しくすることが症状の改善につながります。

十分な睡眠をとり、疲れをためないことが大切です。

また、お風呂などで温めて血行を良くすることが改善につながります。

貼り薬や、塗り薬なども、有効です。

温シップでも、冷シップでもどちらでも結構です。

シップはご自分のお好みで決めてください。

ただし、温シップは辛子成分が入っているので、お肌の弱い方はご注意ください。

実際に胸郭出口症候群とはどういうものか、
以下で御覧ください。

胸郭出口症候群の患者さんの肩は下がり気味です。

また、首が前に出て、背中も丸くなっているのがわかります。

男性に多いのは、筋肉の発達によって腕の血管や神経の通り道で圧迫が起こり、症状がでるものです。

これを圧迫型といいます。

腕を上げると、右の掌が白くなり、血行障害が起こっています。

今度は、女性の場合です。

腕を下げているときには掌には赤みがあります。

しかし、腕を上げると、掌が白くなっているのがわかります。

女性の場合には、肩周辺の筋力が弱いので、腕が下に引っ張られ、

これが原因で神経や血管に圧迫をうけ、症状が出ます。

これを牽引型といいます。

レントゲンを撮ってみると、鎖骨も平坦で、首も長く写っているのがわかります。

肩こりを予防するには、
下記のような注意事項参考にしてみてください。

肩こり防止のひとつの工夫として、就寝時に腕枕をすることがあります。

また、さらに膝枕もすると、腰が反らないので、体にかかる負担が小さくなります。

腕枕といっても、大げさなものではありません。

バスタオルなどで、簡単に就寝時に作っていただけます。

タオルなどを折りたたむだけですので、場所もとりません。

腕枕の作り方はここをクリックしていただくと御覧いただけます。

PAGE TOP