副爪(足の小趾が靴に当たって 我慢できないぐらい痛い!)

足の小趾が靴に当たって痛いという経験はありませんか?

先細りの靴を履いて痛みが出るということもありますが、
今回御紹介する副爪は、根本的に足の爪自体が変形して、
それが皮膚と靴の間で当たって痛みが生じます。

このページでは実際の例を見ていただいて、
足に出る痛みのなかに、こういった爪が問題になって生じる痛みがあることを御理解いただきたいと思います。

上の写真は、足の小趾の外側が痛いということで来院された患者さんの足です。

小趾の爪の外側にもう一つ爪が広がって出ているように見えます。
これが「副爪」と呼ばれるものです(赤丸で囲んだ部分です)。

レントゲンを撮って確認してみると、
その原因がおおよそわかります。

レントゲン写真で見る骨の形状の違い

上のレントゲン写真は、小趾の骨を映したものです。

一般的には、左の写真にあるように、足の小趾指先は骨が細くなっています。

しかし、副爪の方は、右の写真にあるように爪の先の骨に突起のようなものが見えます。

この突起が付いた骨の形状だと、爪床が広がった状態になり、
爪の生え方もひろがって生えるような形状になります。

それが副爪となり、靴が当たって刺激されると腫れと痛みが生じることになります。

副爪の治療方法

対症法としては、爪を早い目に切って対処するということが、まずあげられます。

しかし、それを繰り返しても、痛みと腫れが生じ続ける場合には、
当院では手術療法に踏み切った方もいらっしゃいます。

以下で、実際に手術をなさった方々の例を御覧いただきたいと思います。

34歳の女性です。

両脚小趾の外足部の痛みを訴えて来院されました。

以前から、仕事中に靴を履いていると、
小趾が痛くて困っておられたそうです。

いよいよ、両足の小趾の痛みが強くて、
腫れてきたので、来院されたそうです。

角度を変えてみると、幅の広い爪を認め、
両足ともに外側に副爪が出ていました。

レントゲンを撮って確認してみると、
小趾の外側に骨棘が認められました。 

術前のレントゲンを見ると、明らかに骨棘が出ています。
(赤丸で囲んだ部分)

小趾が痛くて靴が履けないぐらいだったので、
手術適応となりました。

手術では骨棘を切除しました。

手術後のレントゲンが右側です。以前あった骨棘が見えなくなっています。(青丸で囲んだ部分) 

実際の手術では、小趾の横側に出ている骨棘を
切除してとりだしました。

上にかぶさっていた爪も同時に切除しました。

左の写真は来院時のもので、
右の写真は手術後2か月のものです。
 
写真で比較して診ていただくとお分かりのように、
手術後に生え換わった爪の幅が狭くなっています。

このように、爪床を削ることで、
爪の幅が狭くなり、指の形もスマートになるため、
小趾の輪郭もスマートになっています。

靴を履いてももう痛くないとおっしゃっていました。

82歳の女性です。

靴を履いて外出すると、決まって左足の小趾が痛くなって、
困っておられました。

パッドを当てたり、工夫しておられましたが、
なかなかすっきりしないため、
手術をされることになりました。 

レントゲン写真を撮ってみると、
はっきりと赤丸で囲んだ部分に骨棘が認められました。

手術で骨棘を切除しました。

手術中の所見では、
骨棘が皮膚を押し上げるような形になっていました。

それを切除することとなりました。

切除手術後、レントゲンで確認すると、
骨棘は見えなくなっています。 

手術前にひろがっていた爪の幅は手術後に狭くなり、
爪の変形自体も消失しました。

手術後の外観は術後4カ月が経過した時点のものです。

この時点で、痛みなく靴がはけていると、
おっしゃっていました。 

72歳の男性です。

約1年前より、靴を履くと左小趾の爪の外足部が痛くなり、
悩んでおられました。

いよいよ、腫れと痛みが強くなり、来院されました。 

レントゲンを撮ってみると、
赤丸で囲んだ部分にはっきり骨棘が見えました。

痛みと腫れが強いということで、
手術で骨棘を除去することになりました。 

手術中の所見では、はっきりと骨棘が認められたので、
その部分を切除し、爪も同時に切除しました。

確認のために撮ったレントゲンでは、
骨棘は無くなっています。 

来院時と、手術後3か月の写真を比べたものです。

爪の幅は小さくなり、
骨棘によって形状が変わっていた小趾も
スマートになりました。 

靴を履いても痛みなく過ごしておられました。

靴を履いて、痛いという御悩みは、靴を変えることで解消される場合もあります。

ですが、いつまでも痛みが変わらず、なにかと支障が出るようであれば、
今回のような副爪が原因である場合も考えられます。

小趾の爪先が痛い場合、皮膚科に御相談になったり、
靴の専門家に相談なさったりすることもあるかと思いますが、
一度整形外科にも御相談ください。

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