デイサービスきずなで行う機能訓練の種目の中に、エアロバイクがあります。
これは、いわゆる“自転車こぎ”のことで、今まで自転車に乗ったことがない方でもできる運動です。
このページでは、エアロバイクがどんな運動で、どんな効果があるのかについてご説明します。
有酸素性運動としての効果があります!
運動の種類には、さまざまありますが、エネルギーを消費するという面で、
分類した時、大きく分けて2つの運動の種類があります。
それは、「有酸素性運動」と「無酸素性運動」です。
「有酸素性」とは、“酸素を必要とする状態”を意味しています。
つまり、十分な酸素を体に取り入れて、
筋肉が長時間同じ動きを続けることができるような運動を「有酸素性運動」いいます。
たとえば、スポーツで言うと、マラソンやウオーキングです。
一方、「無酸素性」とは、“酸素を十分に利用できない状態”を意味しています。
これは、もともと筋肉に貯蓄されているエネルギーを消費しながら、短時間で筋肉が動き続けるような運動をいいます。
たとえば、100m走や、400mトラックを全力で走るような運動です。
エアロバイクは、そのこぎ方によって、有酸素性運動としても、無酸素性運動としても、どちらでも可能になります。
しかし、身体活動を高めて、日常生活動作が行いやすくするためには、「有酸素性運動」として、エアロバイクによる運動を用いることをお勧めします。
いろんな疾患に効果があります!
「有酸素性運動」は空気中の酸素を体内に取り入れて、糖や脂肪を燃焼して、エネルギーを発生させながらできる運動です。
たとえ1日の中で、短い時間しか動かなくても、体内の毛細血管への刺激となり、血圧の低下を促します。
また、呼吸のリズムを一定に保つことで、体の酸素摂取量が増えて、
少々体を動かしても息が切れにくくなるという効果をもたらします。
具体的な、生理的変化としては、先に述べた効果のほか、毛細血管網の発達や、
糖に対するインスリン感受性の向上などがあります。
すなわち、脳血管障害や、心疾患、糖尿病を患っておられる方々でも、無理のない運動負荷をかけることができるので、エアロバイクは効果があると考えられます。
エアロバイクは関節疾患があっても大丈夫です!
一見、エアロバイクをこいでいる所を見ると、足を強く踏み込んで、
いかにも膝や股関節に負担がかかっているように見えますが、実は、あまり関節への負荷はかかっていません。
実際に、自転車に乗った時を想像していただくとわかるように、こぎ始めは重く感じますが、スピードに乗ると軽くなることと同じで、エアロバイクも、下肢へかかる負担はそれほど強くありません。
そういった面から、膝に体重をかけると痛い方や、人工膝関節の術後の方でも、
サドルの高さを調整することで、膝や股関節を曲げる角度を浅くできますので、軽い負担でこぐことができます。
リカンベントタイプ
https://www.youtube.com/watch?v=B84LHDWpSHc
座席に背もたれがあるので、安定した姿勢でこぐことができます。自転車に慣れてらっしゃらない方や、半身麻痺がある方でも、安定して自転車こぎ運動をしてただくことができます。
アップライトタイプ
https://www.youtube.com/watch?v=BN3heng1ZZ4
本当の自転車をこぐかのように、運動できます。
踏み込んだ足は、真下へ下ろすような動作なので、膝や股関節の曲がりが浅い方でもサドルを調節することで、負担が少なくなり、運動していただくことができます。
上の動画にあるように、デイサービスきずなでは、2つのエアロバイクを利用者さんの状態に合わせて使い分けています。
始めやすくて、続けやすいですよ!
体に何らかの病気があって、その病気に打ち勝つために運動をしなければいけないのはわかっていても、
なかなか始められないですよね?
上のグラフは、文献から引用したものを一部改編したものです。
実際にデーターをとられた方の平均年齢は62歳あたりなのですが、何かしらの運動を長年続けておられる方は、
実年齢よりも若く体の年齢(活力年齢)が保てていることを示しています。
運動の内容としては、ジョギングやウオーキングなどの屋外で行う運動があげられていますが、
強度の高い運動をしなければならないといったようなことはありません。
この文献で述べられている大切なことは、有疾患者や運動を実践していない人に比べると、
どの種類の運動でも長年実践することによって、良好な状態を保っているということです。
そこで、まずは痛くない、辛くない、自分で続けられそうだという点で、
エアロバイクは始めやすくて、身近な運動としては最適だと言えます。
運動が苦手な方でも、“自転車こぎ運動”は手軽にできる運動です。
周りの方々とおしゃべりしながら、楽しく運動できることも良い点だと思います。
一度、エアロバイクをお試しになりませんか?