暑い季節になってきて、
屋外でのスポーツ活動の機会も増えてきます。
整形外科の専門分野ではありませんが、スポーツを愛するすべての方に、
安全にスポーツを行っていただくために、熱中症対策を取り上げることにしました。
以下、このページでは、熱中症が起こる原因や、
その対策などを見ていただきたいと思います。
熱中症はどうして起こるの?
上記の図のようなシステムで、
体は常に体温を約37度に保つようにコントロールしています。
しかし、この体温調節機能にも限界があり、
この限界を超えると、熱中症を発症します。
どんな症状が起こるの?
熱中症はスポーツをする年代層だけのものではありません。
年間発症率からいえば、
10歳代から20歳代の次に多いのは、
70歳代から80歳代の方です。
熱中症は症状の重症度によって、3つのタイプに分かれます。
若い人に多いのは、Ⅰ~Ⅱ度の軽い症状のものですが、
高齢者では、Ⅲ度の重症化した症状が割合として増えてきます。
それぞれ次のような症状がでます。
Ⅰ度
熱失神
熱を放出するために皮膚に血液が集まり、血圧が低下する。
そして、脳に運ばれる血液が減り、熱失神が起こります。
熱けいれん
汗とともに、ナトリウムが排出されるため、
体内のナトリウム不足により、
筋肉のけいれんが起こります。
Ⅱ度 熱疲労
発汗により、体内の水分が不足します。
頭痛
吐き気
倦怠感
ボーっとする
Ⅲ度 熱射病
意識がないなど、Ⅲ度の症状が見られた場合には、
直ちに医療機関へかかる必要があります。
これを放置しておくと、命に関わる重大な事態となります。
Ⅲ度の重症者は、高齢者に多く見受けられます。
これは、高齢になると、体温調節機能がうまく働かなくなるためだといわれています。
家族や、周りの人は気をつけてあげてください。