帯状疱疹(帯状疱疹は治るから大丈夫! )-ヘルペス-

「ヘルペス」という病気の名前を聞いたことがありますか?

「帯状疱疹(ヘルペス)」とは顔や胸、背中など神経の通り道に赤い水疱を生じて、神経痛を発する病気です。

この原因は、子供のころにかかる水疱瘡と同じウイルスです。

下の絵にあるように、一旦水疱瘡が治った後も、
そのウイルスは体内に潜伏していて、神経の一部に潜んでいます。

ところが、疲労など体の抵抗力が落ちている時に、潜伏していたウイルスが再び活性化するのです。

そして、神経の通り道にチクチク、ピリピリとした痛みが生じるのです。

治療は、抗ウイルス剤入りの点滴や飲み薬が有効で、
しかもできるだけ早い段階に処置をすることで、後の神経痛も残らず奇麗に治ります。

「ヘルペス後神経痛」といってヘルペスが治った後も、
いつまでも神経痛が長引くようならば、神経ブロックや鍼灸治療も有効です。

このページでは、実際の症例を見ながら、
ヘルペスが治っていく過程をご覧いただきたいと思います。

左の写真にあるように肋間神経に沿って発症することが多く、
患者さんは胸や背中の痛みを訴えて
来院されることが多く見受けられます。 

しかし、発疹が最初は出ないことが多く、
初診時は背中や足などが痛く整形外科を受診され、
時間が経って発疹がでてきて、
そこで初めてヘルペスとわかる場合が多いのです。

以下で、実際の患者さんの症例をご覧いただきたいと思います。

左の写真の方は、3日前から頭部に痛みがあり、
発疹に気がついたので来院されました。

来院された当日に水疱を伴う発疹があったので、
三叉神経と呼ばれる顔の表面の感覚を司る神経の
帯状疱疹であると診断されました。

10日後の写真では、痛みは無くなり、
水疱はかさぶたのように枯れてきました。

その後、軽快し、なんら痛みも残りませんでした。 

次は86歳の女性です。

右の首肩の痛みで来院されました。

初診時には痛みだけだったのですが、
6日目に再度来院された時に赤い発疹が出ていました。

ヘルペスと判断し、抗ウイルス剤入りの飲み薬を投与しました。 

症状はすぐに消失し、その後の痛みも無くなりました。

次は61歳の女性です。

左胸、背中の痛みを訴えて来院されました。

これといった外傷も無く、初診時には発疹は無かったのですが、
初診から4日目に発疹が出てきました。

ちょうど肋間神経に沿った発疹が出ていたので、
ヘルペスと判断して、抗ウイルス剤の入った点滴をしました。

症状はすぐに消失して、その後痛みも出ませんでした。

次は71歳の女性です。

昨夜から足が痛くて眠れなかったということで、来院されましたが、初診時には発疹はなかったので、坐骨神経痛と考えていました。

しかし、2日後に左の写真のように発疹が出てきました。

ですので、ヘルペスと診断し、
抗ウイルス剤の点滴と飲み薬を処方しました。 

また、激しい痛みに対しては注射で神経の痛みを和らげました。

初診から4日目の写真です。

発疹は広がっていますが、痛みは消失しました。

初診から6日目の写真です。

発疹も薄くなり、痛みもありません。 

初診から8日目には、発疹はほとんど無くなり、
赤くなっていた部分も目立たなくなりました。

初診から14日目の写真です。
ほとんど、瘢痕はありません。

しかし、痛みが少し出てきました。

ヘルペス後の神経痛と判断し、
リハビリと並行して鍼灸治療を行いました。

発症から4カ月後の写真です。

瘢痕も消失し、ヘルペス後神経痛も消失し、完治しました。 

背中や肩、腕、足などが痛くて整形外科を受診される患者さんの中には、
上の写真のように数日たって赤い発疹が出てきて、ヘルペスとわかる場合があります。

この疾患は免疫力の低下で起こるので、赤い発疹が出て来てヘルペスとわかった時、
体を安静にして、なるべく早く抗ウイルス剤を投与すれば、
早く治りますし、後の神経痛に移行することなく治ります。

寒い時期や年末年始には、抵抗力も落ちがちで、
ヘルペスを発症される方も多くなりがちです。

ですので、痛みが出始めた早い時期に医療機関を受診され、
早期治療に入るることをお勧めします!

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