私たちは日常生活で階段を踏み外したり、スポーツをしていて転んだり、
しびれを切らせて立ち上がろうとしたとき、
足首をひねり痛みを覚えることがありますが、その多くは足関節捻挫によるものです。
捻挫は関節のまわりのスジ(靭帯)が伸びたり、切れたりした状態のことで、
このために痛みや腫れが起こります。
また、痛みのため、歩行が困難となります。
上の図は足関節周辺の靭帯です。
全て足関節を安定させるために働いている靭帯です。
捻挫でもっとも損傷しやすい靭帯は、下の図のように前距腓靭帯です。
このように完全に切れることもありますが、部分的に靭帯が切れる場合もあり、これが損傷の程度に分けられるということです。
足関節捻挫の治療は、損傷の程度によって異なってきます。
軽い捻挫の場合は、原則としては安静で、湿布を貼ったり、軟膏を塗ったりします。
中程度の捻挫の場合は、弾力包帯やテーピング、アルミの板(副子)による固定などを行います。
アルミの板は、損傷した部分が十分に治癒した後にはずします。
強度の捻挫の場合には、ギプスによる固定が必要で、足関節では約3週間前後の固定が必要となります。
中程度や強度の捻挫を放っておいたり、治癒する前に固定をはずしたりしてしまうと、
ちょっとしたことでまた捻挫したり、いつまでも腫れや痛みが引かなかったりします。
U字ギプス固定
ギプス固定
捻挫を繰り返して、関節の靭帯が切れてしまっている場合は、靭帯再建術という手術を行います。
足関節の靭帯の損傷程度は、レントゲン撮影で以下のようにストレスをかけた状態で撮影するとわかります。
前方引き出しテスト
内反ストレステスト
ただの捻挫だと軽く思わずに、捻挫を繰り返さないように予防することが大切です。
何かご不明な点がございましたら、スタッフまでご相談下さい。