当院では、できるだけ手術を行わないで治す保存療法(固定やリハビリなどによる治療)を積極的に行っています。
しかし、固定やリハビリで症状の改善が見られなかったり、お仕事に支障がある場合は、手術を行う場合もあります。
当院では、入院施設がないため、日帰りで行える手術のみを行っています。
日帰り手術のメリットは、入院の煩わしさがないことや、治療費が安く、自己負担費用と国の医療福祉費用の軽減につながります。
患者さんにとっても、社会にとっても、好ましいものと思われます。
その代表的な手術を、以下で簡単にご紹介したいと思います。
それぞれの病気についての詳しい説明は、タイトルをクリックしてください。
ばね指
当院で行っているばね指の手術は「皮下腱鞘切開術」です。
ばね指では
1、痛みのため仕事や家事に支障をきたしている場合、
2、弾発現象が強く、自力で指が伸ばせない場合、
3、注射や固定を行っても弾発現象や、痛みが改善しない場合
以上のような場合、手術の適応と考えられています。
手術は非常に細くて小さなメスを使って行いますので、手術の傷跡を縫合する必要も無く、傷跡を濡らさないようにしていただけば、手術当日入浴していただくこともできます。
ばね指 総手術件数:5,267指
ドケルバン病
当院で行っているドケルバン病の手術は「皮下腱鞘切開術」です。
ドケルバン病では、注射や固定を行っても、痛みなどが改善しない場合や、使い過ぎによる痛みが、長期間に及んでいる場合には手術の適応と考えます。
手術時間は数分程度で、傷も小さくてすみます。
ドケルバン病 総手術件数:301手
手根管症候群
当院で行っている手根管症候群の手術は「手根管開放術」です。
手根管症候群 総手術件数:182手
肘部管症候群
当院で行っている肘部管症候群の手術は「肘部管開放術」です。
当院では、尺骨神経を絞扼している弓状靭帯を切離し、肘部管を開放します。
絞扼された尺骨神経は、中枢側で偽神経腫となっているため、手術後少しずつ神経の回復とともに、痺れや筋力低下が改善されます。
弓状靭帯を切離するときには、粘膜ベラを入れて、尺骨神経を傷つけないようにしているので、短時間で手術は終わります。
肘部管症候群 総手術件数:36肘
グロームス腫瘍(手指・足趾)
当院で行っているグロームス腫瘍の手術は「軟部腫瘍摘出術」です。
グロームス腫瘍は、手の爪下や、指腹部、または足趾など、あらゆる場所に起こります。
臨床症状や、患者さんの訴え、またエコー検査などで、異常が見られた場合は、日帰りの手術をしております。
爪が生え換わるのに時間はかかりますが、水仕事などは、傷口が収まれば、やっていただいて結構です。
グロームス腫瘍の場合は、手術をしなければ、なかなか症状の改善が見られないことが多くあります。
グロームス腫瘍 総手術件数:50指
(足趾6趾を含む)
患者さんお一人お一人の背景や、その他の事情によって、治療の仕方は十人十色です。
手術をしない治療方法や、手術を行う治療方法と、さまざまではありますが、最適と思われる方法を選択して、治療にあたっております。
治療についてのご質問など、お気軽にご相談をしていただければと思います。