近年の遺伝子解析の進歩で、様々な分野で遺伝子の関与が明らかにされつつあります。
関節リウマチにおいても、遺伝子の因子が関与されているとされ、
約30%程度の影響があると言われています。
また、環境因子も関与していると考えられており、
約70%の関与率があるとされ、
中でも、重要性が高いとされているのは喫煙の因子です。
遺伝的な要因としては、関節リウマチの患者さんのなかには上の図に示した「HLA-DRB1SE遺伝子」を持った方が多く、
さらに、喫煙がある場合には、関節リウマチの発現率が高まっていたという報告があります。
他に、関節リウマチの患者さんの歯周病の罹患率が高かったこともあり、
歯周病の病原体の中にある抗原が関連するとも言われています。
細菌やウイルスによる感染症と関節炎の発症についても関節リウマチと関連があると言われています。
最後に、関節リウマチの患者さんは女性に多いということから、
性ホルモンが関与するとも言われています。
上記の様々な因子はありますが、
それが単体で存在しても発症することはまれで、
それぞれの因子の相互作用によって発症すると考えられています。
遺伝因子と環境因子の相互作用
喫煙の環境因子が、関節リウマチの発症とどのように関連するのかを示したものが下の図です。
本来は、刺激を受けることのない気道の中にあるタンパク質が、
喫煙の影響でシトルリン化し、抗原となり、抗CCP抗体の産生が促されることから始まります。
抗CCP抗体が存在するだけでは関節リウマチは発症しません。
しかし、遺伝子の要因に加え、細菌やウイルス感染、機械的ストレスが影響して、
シトルリン化したタンパク質と抗CCP抗体との間で免疫反応がおこることで、
関節リウマチが発症すると言われています。
一昔前までは、関節リウマチの原因は不明であるとされていましたが、
現在では、以上のようなところまで解明されてきました。
現在の研究の中で注目されているのは以上の表に載っている因子ですが、
今後も色々な研究がなされていくことで、
さらに発症の原因が解明されていくことと思います。
最新の関節リウマチの治療については、
以降のページでお知らせしたいと思います。