アキレス腱断裂の治療

このページでは、アキレス腱断裂後の治療について御覧いただきたいと思います。

当院では、経皮的縫合術、もしくは保存療法でアキレス腱断裂の治療を行っています。

経皮的縫合術は、手術といっても傷が小さく、日帰りで行える手術です。

その一方で、保存療法も治療方法として考えています。

どちらを選択するのかは、患者さんの事情によって、ご相談の上で決めています。

今までは保存療法を行った場合には、再断裂する可能性が高いとされていましたが、
状態の管理を定期的にしていけば、保存療法でも再断裂しにくいということがわかってきました。

ですので、手術療法をしても、保存療法をしても、きちんとした治療をすれば、
結果は変わらないということがわかってきたのです。

当院で行っている手術療法をする場合の条件としては、
断端部がかなり離れており、接触できない場合や、
少しでも、強固な固定を施すために経皮的皮下縫合術を行っています。

以下で、ギプス固定による保存療法と日帰りで行える経皮的皮下縫合術のご説明をしたいと思います。

アキレス腱断裂に対する経皮的皮下縫合術

経皮皮下縫合術では、大きな傷跡も残らず、切れたアキレス腱をつなぎとめることができます。

また、離れた断端部を引き寄せることができます。

以下でその方法を御覧いただきたいと思います。

経皮的縫合術は、患部を切り開くことはせず、皮膚の上から切れたアキレス腱を寄せてきて、止めます。

(この図ではアキレス腱断裂の状態がよくわかるようにアキレス腱が描かれていますが、

実際には、アキレス腱は皮膚の下にあります。)

赤い点で示されている4個所から針を通して、皮膚の上から縫いとめます。

ですので、傷跡は4個所の点だけですみます。

以下で、経皮的皮下縫合術の説明をご覧ください。

当院で行なっているアキレス腱断裂の日帰り手術
(経皮的皮下縫合術)

上記の手術の所要時間は10分~15分ぐらいです。

アキレス腱断端部を足関節底屈位にさせることで、近づけ、手術を行っているので、
その肢位を保つために、足関節最大底屈位でギプス固定を行い、

松葉杖をついて手術当日、帰宅していただきます。

固定療法

手術をしても、保存療法になっても、まず、ギプス固定を行います。

ギプスは「最大底屈位」(つま先を最大限に伸ばした状態)で固定します。

手術後、まず下巻きを行います。

左図の青い物はギプスがきつくなって循環障害を起こさないようにゆとりを持たせるために巻きます。

下まきの上に、ギプスを巻きます。

グラスファイバー製で、軽くて丈夫です。

丸く包帯上になった素材を水にぬらして、それを巻きつけます。

2~3分乾燥すれば、硬く丈夫なギプスになります。

リハビリの流れや治療経過は次のページ以降で御覧いただきたいと思います。

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