手指を使っていて、急に「カクッ」となると、指がどうなったんだろうと心配になりますよね?
この症状で、代表的なのがばね指による弾発現象なのですが、ばね指以外の疾患でも、似たような現象が起こる場合があります。
このページでは、一見するとばね指だと思われそうなのですが、実は違う疾患であるというものについてご説明したいと思います。
こんなばね指もあります!
ばね指のほとんどは上の図のA1といわれる滑車(プーリー)が肥厚して、腱が通る際に引っかかることでおこります。
しかし、中には、A2での狭窄が生じるばね指もあります。
これは、珍しい病態です。
治療法としては、A1プーリーで起こるばね指は手術対象となります。
しかし、A2プーリー部では、腱の滑走に異常をきたす恐れがありますので、
装具療法や、注射療法で経過を見ていきます。
以下で、A1プーリー部でのばね指と、A2プーリー部でのばね指の動画をご覧ください。
また、一見ばね現象に見えるのですが、ばね指に似て非なる症状を呈するものもありますので、合わせてご覧ください。
一般的なばね指(A1プーリー部でのばね指)
A2プーリー部でのばね指
ばね指と間違えやすい疾患
どの疾患も、指が「カクッ」となる現象がおこり、一見、ばね指に似て非なる手の動きが見られます。
しかし、それぞれ指が「カクッ」となる原因は違っています。
小指ボクサーズナックルによる伸筋腱脱臼
MP関節部での伸筋腱脱臼
PIP関節背側で生じた側索損傷
手首での弾発現象(トリガーリスト)
各疾患の詳細については、疾患名をクリックすると、詳細な説明のページで、ご覧いただけます。
実際に、「指がカクッとなる」ということで、ばね指ではないかと、ご自身で判断され、ご相談いただく場合があります。
しかし、御来院いただいて、診察をさせていただくと、ばね指ではなく、上記でご紹介した違う疾患である場合があります。
ばね指ではないかと思われた場合、上の動画と見比べていただければと思います。